滝や、流れる川以外に、まだ二つの自然界の現象が衝突する液体の
電気的作用を起こすと期待される。降雨と海の波しぶきである。
地表に打ち付ける雨のしずくはマイナスの電気を空気にもたらすに
ちがいない。今やよく知られた事実になっているが、エルスター氏と
ガイテル氏の丁寧な観察によれば、普通の好天では大気はプラスの電気を
帯びており、降雨の際、もしプラス帯電の雨のしずくが降ると、その電位差
は度々マイナスに変わる。
(注3)
降雨はその上、広い範囲に至るまで作用する。
観察地の周囲800km内で雨が降った場合、晴れた天気のときに測ったプラス
の電位差がはっきりと下がっているのがわかる。
(注4)
我々の扱っている現象が
おそらく、そのような作用をひき起こすことを、次の考察が示している。
一時間に5mmの降水量の長雨が降ったとする。しずくの平均的な直径は2mmで、
我々は1m2の地表上の角柱の空間を計算する。
一時間のあいだに降る雨の量は
100×100×0.5=5000cm3になり、
5000/(4/3(0.1)3π)=1200000のしずくになる。
その終速は秒速7.3mである。
(注5)
表16から、速度と2mmのしずくの
大きさに対して電気発生を補間すると-0.08×10-12クーロン
となり、全体で-1.2X106X0.08X10-12=9.6X10-8
クーロン/時である。
同じ作用に関して、我々が考察している角柱の空間の周囲が
かかわっており、周囲はその空間を電気的な保護環として包んでいる。
それゆえ、上記の電気量がどれだけの電位差を生じるのかということは、
まずその電気量が失われることなく集められた事を前提にすれば容易に
計算できる。すなわち、空気中の電気の量を地表と結びつける力線は、
保護環の作用のおかげで常に互いに同一方向、すなわち地表に対して垂直
に走っている。それゆえ力線は、いつも電気量が角柱の空間の中に配置
されているように、常に同じ密度でその空間の地表に到達するだろう。
そのため、そこでは配分に左右されない電位差が支配的だろう。
その大きさは、プラスに向いた力線として面積単位にかかわって
-4π×10-1ボルト×9.6×10-8/1002
(電気量単位/cm)
=
-11000(ボルト/m)になる。
普通に観察された最大の地表の電位差、+828ボルト/m
(注6)
と比較しても、
一時間のうちに雨によって生じるこの作用は、地表や落ちているしずく
への放電、あるいは脇へ広がることによって大きく減少するにもかかわらず、
考察された逆転を生じるためには十分に大きいと思える。しずく同士の衝突
の作用は、この場合に完全に考慮されていなかった。しかし、その衝突はも
しかするとさらに、特に大きなしずくの雨の場合、計算されたものを上回って
いるかもしれない。
少なからず重要なのは嵐によって励起し、絶え間なく起こる海の波の作用
といってもかまわないかもしれない。その兆候にしたがって普通の電位差と
一致しているなら、波の作用は電位差を強めることが明確になるにちがいない。
私の知っている動く海での空中の電気の唯一の測定は、実際この結果を示し
ている。Exnerはセイロンの海岸で、普通の空気の電位が砕け散る海に
おいては如実に大きくなって現れることを観察した。
(注7)
この電気発生の場所
は地上の3分の2以上である。そのため、普通の大気中の電位がこの場所に
よってひき起こされ、維持されているとするのは不可能だとは思えない。
大気中の電気の研究において遠くの嵐を考慮することは、更なる解明に
つながるのではないだろうか。
<注釈>
3.エルスター、ガイテル。ウィーン、Ber. 99. 421頁。
表2、図
6、8、9、10など、1890.
4.エルスター、ガイテル。ウィーン、Ber. 98. 952〜951ページ、1889。
5.同様のものの見積もりに関して、注28ページを参照。
6.エルスターとガイテルによって観察された。
Exner、Exn. Rep. 27. 218ページ、1891参照。
7.Exner、l. c. p. 135.
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