Abstract
Pierre CurieとJacque Curieの論文要約
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A. 傾いた面をもつ半面像結晶の加圧による分極電気の形成
B. 傾いた面を持つ半面像結晶の分極電気について
C. トルマリンを加圧した時の電気の出現則
D. トルマリン及び傾いた面を持つ半面像結晶の電気的現象について

C. トルマリンを加圧した時の電気の出現則

ジャック・キューリーおよびピエール・キューリー(1)によるノート(紹介者:フリーデル)
1881年
(1)Comptes Rendus: No2、1880年8月16日

最初に、トルマリンを加圧した時に現れる電気について、我々の実験から得られた法則について述べ、 続いて、スペースの関係で簡潔に、実験方法と、この法則を実証した時の制約条件について述べる。

I.トルマリンの両端面には、向きの違う同量の電気が現れる。
II. 或る圧力で出現する電気量は、同量の減圧で出現する電気量と、同量で、逆向きである。
III. この量は圧力の変化に比例する。
IV. この量はトルマリンの長さによらない。
V. 単位面積当たりの圧力変化に対して、この量は面積に比例する。

   法則IVとVを導き出した実験結果を単純に表現すると、“同一の圧力変動に対して、出現する電気量 は、トルマリンの長さによらない”。

   研究したトルマリンは、主軸に平行なプリズム形で、両端の基底面を薄い錫箔で覆い、その上を非常 に厚いガラス板で保護し、木製のてこの間で結晶を圧縮した。一端の錫箔は、アースにつないで、 他端をThomson-Mascut電気計の針につないだ。圧力変動で得られる変化は、出現した電気量に比例 する。上記の測定条件下では、錫箔の容量は、電気計の容量と比べて、常に省略できる。

   トルマリンは、透明、無色、緑、黄色、またはうすいバラ色のものは、一般には、いずれも完全な 絶縁体であり、我々の定量的な実験では、これらのものだけを用いた。どんな色がついていようとも、 トルマリンは、電気現象という観点からすれば、ほとんど同じ挙動を示した。例え、差があったとし ても、多分、とても小さいものである。とはいえ、常にそうである事を確認すには、かなりの数の 試料を試してみる必要があろう。

   トルマリンでも、多少とも不透明なものや、黒いものは導電性がある。黒いトルマリンでは、 電気計の針の瞬間的な動きは、同重量の透明なものの動きと比べて、約1/5であったし、それも 急速に零になった。

   振れが等しいとか、比例係数が同じかどうかを確かめる必要はあろうが、測定誤差原因が省略 できる事を考慮すると、測定誤差は測定値の1/20程度である。我々はこれ以上に精度を高めるのは、 不必要と考えたが、発表された法則の精度は、用いたトルマリンのサイズ差にもよるからである。

   試料は、同一端面積で、長さは、0.5〜15mm、即ちサイズ比、1〜30のものと、同一長さで、端面積が、 2mm2〜1cm2、即ちサイズ比、1〜50のものを用いた。実験概要は既に説明した 通りで、得られた法則は、ほぼ極限と考えると、長さを倍にした時の、真の法則との差は、 6/100以下、面積を倍にした時の、真の法則との差は、1/1000以下と確認できる。

   1mm3の小片は、同一圧力下で、体積のある数cm3の塊と同じ電気量を 発生する。結局、1cm2の端面に、数kgを加えて得られる効果は、 1cm2の端面に100kgを加えて得られる効果と、ほぼ同じである。

   ゴーガンはそのすばらしい仕事の中で、トルマリンの熱電気現象の単純さを証明した。 彼の発表した法則は、このノートの目的である法則にも適用できる。もし、我々が提唱した仮説、 即ち、圧力変化でもたらされる現象と、温度変化でもたらされる現象は、原因が同じ――トルマリン の軸方向の伸び縮み――である事を認めるならば、一方の法則を、他方に適用し得る事を、たやすく 理解できよう。


(論文名)
Lois du dégagement de l'électricité par pression, dans la tourmaline. Note de MM.JACQUES et PIERRE CURIE, présentée par M . Friedel.
(掲載誌)
Comptes rendus hebdomadaires des séances de l'Académie des sciences,92(1881) 186
(所蔵)
The British Library
(訳)
科学技術振興事業団
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