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滝の電気について(フィリップ・レーナルト)

  • 和訳タイトル: 滝の電気について
  • 原文タイトル: Uber die Electricität der Wasserfälle
  • 著者: Philipp Eduard Anton Lenard(フィリップ・エドアード・アントン・レーナルト)
  • 掲載誌: Wiedemanns Analen Der Physik VOL.46 P.585-636 1892 (英国王立図書館所蔵)
  • 翻訳について
全てをお読みになるとかなりの量があります。「J.結果のまとめ」で各項のポイントをまとめております。


Index

A. 滝のそばでの観察:土壌電位差は影響しない

1. 土壌電位差の影響を調べる実験の計画

滝がその周囲の空気をマイナス電気で荷電するということは 長い間知られていたことである。 大気中の降水の落下に伴う電気現象と、この驚くべき現象との類似性は 特に興味深い。この後、この電気の発生がまったく予想外の現象に基づい ているということを示す観察について報告していく。

エルスター氏、ガイテル氏は、高いところにある太陽を見て電気的な観察 をした際、興味深い事実を報告している。その事実とは、マイナスの空中電気 は滝の上空500mでさえ観測されるというもので、彼らは(Hoppe(?)にした がって)、その現象は通常の土壌電位差が飛び散った水に作用したものだとい う推測をした。その飛び散ったしぶきは、この上方へと向かうプラスの電位差 の誘導(or作用)によってマイナス電荷と分離して、それを空気中に運び、 一方プラス電気は比較的大きな水の塊とともに地上に向かう。 一種の自己誘導(or自己作用)がそのようにして引き起こされた作用をさら に強いものにする。

このことによって私はアルプスの多くの地域の滝をめぐる旅の直前に、類似 した観察をする気になった。もし上の推測を試そうとするなら、深く狭い 峡谷、すなわち土壌電位差が保持されたところで落下する水がどのような状態 になるかを見ることである。

ある小さな金属の石油ランプ(ガラスシリンダーを金属製の短いもので代用 した円形バーナー)、それは絶縁処理を施したエボナイトの棒(長さ40cm) にはめ込まれているのだが、これを、この場合空中電気のコレクターと して用いる。そのランプは剥き出しの導線によってExnerの特別な 検電器に結びつけられており、その検電器の振れが炎のある場所と地面との 間の電位の違いを示す。 (注1) プラスかマイナスかは摩擦された エボナイトの棒によるランプの分離にしたがって調べられる。


<注釈> 1.この検電器の目盛で60°は、約200ボルトに相応する。

2. 実験結果(ある滝)

天気のいい日に野原で炎が高く持ち上がった時、検電器はプラスを示す。 これは通常の土壌電位差のよく知られた作用である。 しかし滝のそばに行くと、逆にマイナスを示し、その振れは一般に著しく 強いものである。

水量が豊富で轟々と流れ落ち、しかしそれほど高くない滝では空中電気は 非常に強いため、炎のコレクターは撤去しなければならないほどであった。 長さ30cmもしくは10cmの導線を検電器のつまみに固定すると、伸ばした手 の中で指針がケースにほとんど接触するくらいまで振れる。小さい急流では 空中電気は弱くなり、この場合炎コレクターを用いてしか強い振れを保つ ことはできない。川底の傾きが小さい小川でもまだ作用は見られるが、 しかしそれは水面のかなり近くへと炎を持っていった場合だけである。 滑らかな水流では検電器には何の兆候も表れない。

その作用の強さは水が落下する激しさしだいで、それに関しては深い谷間 の滝も例外ではない。その滝は、同じ位の力で山の絶壁を自由に落下する ような滝と比べても決して弱いものではない。前者は後者ほど土壌電位差 にはさらされない。というのは、たった7mの深さの切り通しにおいてさえ、 この電位差は、高く保たれた炎と検電器で試しても、観測されなかったから である。このことから、その現象は土壌電位差とは無関係であると推論され るにちがいない。

十の大きな滝と多くの小さな滝で収集された観測によって次のようなことが 詳細に発見された。 ( (3) (4) (5)

3. 実験結果(リヒテンシュタイン峡谷の滝)

ポンガウのザンクト・ヨハンにあるリヒテンシュタイン峡谷の大きな滝は 外からは完全に孤立している。水の豊かな小川の上流、それは滝の前にある のだが、そこでさえ高くて非常に険しい岩壁で閉ざされていた。 それは、ほぼ垂直で高さが100mある岸壁の間で、さらに多くの部分に分かれ て、さらに深い峡谷へと流れ落ちていた。その峡谷は電気的には閉ざされて いるも同然であった。なぜならその岩壁は、高さ200mの所でお互いにたった 2〜10mしか離れておらず、上の方では一部が接触しそうなほどであったからで ある。峡谷のその部分とは高さ約70mの滝の下から3分の2の部分で、そこで は水が岩の上に落下する際に飛び散っていて、その後さらに落下して流れて いた。

検電器に次のようなことが起こった。峡谷の上方、滝の前では、 炎を用いて小川の表面の本当に近くでのみだが、空中電気が見られ、そこで はかなり強いマイナス電気を示す動きが見られたのである。滝の近く、 そして峡谷の下方の全体で、検電器のつまみに付けられた10cmの導線は、 それが峡谷の内側に保たれている場合は、いたるところで非常に強いマイ ナス電気を示した。岩壁のすぐ近くまで検電器を持っていくと導線は一致 した。検電器を岩壁から遠ざける一方でそれに触れると流れ出し、岩壁の方 へそれを持っていくと、予想されたとおり、プラスの電気を示す。 もっとも強かったのは、滝が岩にぶつかって飛び散るところの上の帯電で あった(この場所自体に到達するのは不可能だった)。そこでは空気中に 互いに渦巻く水滴があった。流れ去る小川に沿って(岩壁に固定された 山道を)この場所から遠ざかると、振れはゆっくり減少した。しかし注目に 値すべきだったことは、空気中で目に見えるほどの水飛沫は非常に素早く、 特に滝から一定の距離を遠ざかると突然減少したが、しかしそれに応じて 振れが降下することはなかったということである。強い振れは、もはや 水飛沫が見えないところでも依然として示されていたのである。

4. 実験結果(キッツロッホ峡谷の滝など)

電気は、水が落下して霧雨も発生している滝の下の方から生じるということ、 そして電気と水飛沫はこの場所から激しく動く空気とともに同じようにして さらに広がっていくということが、特に近づくことのできるような中くらい の強さの滝で観察された(例えば、ランデックのレッツや、エイルに注ぎ込 むエッチュの小さな川の滝などで)。

ここでは常に、水しぶきでびしょぬれ になるくらい滝壷に近づけば近づくほどいっそう強い振れが保たれた。にも かかわらずリヒテンシュタイン峡谷での観察に従うと、水しぶきは、少なく とも目に見えるものは、マイナス電気を運ぶものとしては観察されなかった。 レント・ガシュタインのキッツロッホ峡谷にある大きな滝でも似たようなこ とが示された。そこでは、目に見えるくらいの水滴で満たされた範囲の縁の 所で電荷が最も強く、それは岩壁からそれほど離れたところではなかった。 それは弱いというよりはむしろ強くはないという程度のもので、そこでは 絶縁はなかった。

5. 実験結果(トラフォイの峡谷の滝など)

私が、目まぐるしく変化する外の電位差を観察する機会を持った滝は スティルフスの峠(山の鞍部)やマダッチュフェルナーから下って給水 されるトラフォイの峡谷の滝であった。8月22日と23日は雨の日で、強い電気 を帯びた雲が谷まで降りてきていた。電位差は谷のいたるところで異常に強 く、30cmの銅線をつけた検電器を持ち上げると強い振れを示し、素早く、 しばしば1分刻みに変化した(この変化は天候の明らかな変化に伴って起こ ったものではない)。

この二日間私は、約2mのところまで近付くことのできる 滝で特に頻繁に調査し、一方でおよそ200歩離れた岩塊から雲の電位を、 上記の結果と交互に比較しながら試してみた。その雲は、峡谷の出口の窪地 にある滝のところまで濃く漂っており、この時その雲は、異常に強められ振 れを変化させた誘導作用にさらされていた。にもかかわらず空中電気はその 近くでも常にマイナスで、好天の場合は早くても遅くても同じくらい強か った。トラフォイの谷の終わりにある二つの大きな滝では、同様に変化を示 さなかった。

明らかに滝での電気の発生には内的要因が作用しているのであろう。

B. 障害物にぶつかった噴水流はマイナス電気を空気中に広げる

6. シャワーでの実験(ヘイデルベルク)

そのことに従うなら、滝の電気を、家の閉ざされた空間においても保つこと ができるにちがいない。ここでは水道管の水流を用いることとする。

ハイデルベルクで行われた最初の実験は、驚くべき結果を示した。 ある小さい空間に水道管と結びついたシャワーが、亜鉛製の桶の2m上にある。 シャワーを最初は空の桶に流し、その間空中電気を、アルプスで行ったのと 同じように、炎と検電器で持続的に測定する。するとマイナスを示す振れが 恒常的に増えていった。空中電気は壁の近くでも遠くでも、流れて落ちてい る水に沿ったところでも見られたが、最も強かったのは部屋の真ん中で あった。シャワーを4分間流しつづけた後、検電器は規則的に、約4秒ごとに 振れの増加を示しはじめた。シャワーを止めてみると、今度は空中電気は ゆっくりと減り始めたが、新たに増やすために水を流すと、5分後にはまだ 非常に強いものであった。

今度は窓を開けて見ると、1分以内に電気を示すものはなくなってしまった。 石油ランプは部屋の空気をひどく汚染していた。それゆえしばらくしてから ロウソクの炎をコレクターとして実験を繰り返した。結果は同じであった。 さらにシャワーの代わりに、太さ約1.5cmの水流を、半分まで水が入った桶に 斜めに流してみた。するとその水流によって大量の空気の吹き付けが桶の底 まで達した。空中電気はExnerの検電器では3分以内には確認されなかった。 それに対して、同じ水流を、水にではなく、桶の中に取り付けられた鉄製の 傘に落とすと、マイナス電気が再び発生したが、シャワーを今度はいっぱい に水が入った桶に流した時の方が強かった。シャワーからの水流はほんの少 しの空気しか吹き付けず、それは水面からわずか数センチの深さにしか達し ない。

7. シャワーでの実験(ボン)

ボンでも実験を続けるために、ここでも同じような実験を繰り返した。 しかし期待したような結果はほとんど起こらなかった。 Exnerの検電器には何の反応もなかったのである。結果的にHankelの 検電器を用いたときだけマイナスの空中電気が再び確認された。 実験の条件を何度もいろいろと変更してみたが、ハイデルベルクとボンの 間の大きな違いは 水道水の性質の違いだけであった。ハイデルベルクの水は蒸留したのと 同じくらい純粋だったが、ボンの水は不純であったため、蒸発した水滴が 後に塩分を残していた。純粋な水のみが強い作用を起こすという推測は後 で証明されることとなる。 (注2)


<注釈> 2.使用された水の不純性は、エルスター氏・ガイテル氏の同じような実験での失敗の原因でもあった。

8. 水滴機による実験(1)

この時私はマクリーン氏とゴトウ マキタ氏による、次のような実験に関する 覚え書を見つけた。その実験とは大きな鐘型のガスタンクの下で遮断された 空気の電気状態を調べることで、その鐘を通ってThomsonの水滴コレクター の水流が流れている。遮断された空気がもともと電気を帯びていないならば、 その空気は水滴の流れによって次第に電気、つまりマイナスの電気を帯びて いくのであろう。電位は約−5ボルトまで上がった。もともと錆びた鉄でで きている鐘の内面に油絵具が塗られていれば、その現象は変わらない。 しかししばらくしてからほこり(水飛沫?)のない空気が鐘を通して吸い出 された場合、電気は著しく後退した。

この水滴機による弱い作用と、滝もしくはシャワーの強い作用との間には 明らかに段階的な違いがある。


図1

これに基づいて構成されたのが図1の装置で、それは作用の弱いボンの水 が使えるものであることを証明した。桶の中に鐘型ガスタンクが 設置され (注3) 、そのガスタンクはその上の口に水滴機の真鍮管を 蝋で封をすることで絶縁状態にして接合されている。その管に押し込まれた ブリキの円盤は絶縁体を飛び散った水から防ぎ、それと同時に鐘の内側を 電気の絶縁体の誘導から保護している。鐘は地面へと導かれており、水滴機 は検電器もしくは電位計とつながれている。その貯水槽および桶には水道水 が入っている。2本目の管は、強い噴水流で水が幅1.5mmの水鉄砲となって 出るようにしたガラスの管で、それは地面へと導かれた錫箔で管の口のところ まですっぽり巻かれており、水道管とつながっている。

まずこの管の強い水流を流さずにおくと、マクリーン氏とゴトウ マキタ氏 が発見した水滴特有の作用が観察される。一方で約15分間水を流すと、 Hankelの検電器では1目盛(4.5目盛=1ボルト) (注4) の変位が起こった。この弱い作用は次の実験では無視することとする。 内部いっぱいの電位を得るには、水滴機を30秒間作動させるだけで 十分である。


<注釈> 3.すべての装置は、ほかに何もないぴかぴかのブリキ板からなっている。 4.機器のアルミニウム盤は顕微鏡と接眼レンズの目盛で観察される。

9. 水滴機による実験(2)

水道管からの噴水流が十分な圧力の下で管を通って鐘へと吹き出すと、 すぐさま強いマイナス電気が観察される。その電気がどれほどの強さである かは、水流のガスタンクへの落ち方次第である。

第一に、桶が満たされていればいるほど、すなわち水深が深ければ深い ほど、それだけいっそう作用は弱くなる。例えば桶が最初にほとんど空で あった場合、水流を放つと空中電位はすぐに上昇するが、水量が増えるに したがって再び減少する。これは次の表が示しているとおりで、その表から 確認できるのは、電気は水流を止めた後かなり急速に空気中から消えてしま うということである。

【表1】

水流の放出時間

0

1.5

4

7

9

(水流停止)

10

13.5

18Min.

Hankelの検電器での電位

0

 

0

60

 

12

49

 

9.8

42

 

8.4

37

 

7.4

31

 

6.2

16

 

3.2

5 Scthl.

 

1 Volt.

桶の

水位

1

2.7

5.4

8.7

11

11

11

11cm


第二に、管を斜めに置くと、水流は、水にではなく、その上方の鐘の内壁に ぶつかり(水滴機の水流を妨げることはない)、その作用は異常に強まる。 放水してからわずか30秒後で、Exnerの検電器の測定領域に達し、8分後に は−100ボルト以上になり、さらに水流を流しつづけても恒常的であり続ける。

後で出てくる表2は、同じような実験における空中電位の完全な経過を示し ている。表1の時と同じ実験によって、水流が亜鉛板の上に落ちた場合、 空中電位は、水流が深さ2.7cmの水に落ちた時の10倍、深さ11cmの水に落ちた 時のおよそ20倍になったという結果が示された (注5) 。 この表の3列目は水流を止 めてから約1時間経過するまで延長した場合であるが、表1で8分後には ほとんど消えてしまった弱い電荷よりも強い電荷がより長い間空気中に 残っていたことを示している。

第三は流れ込む水流の長さである。今度は再び垂直に立てた放流管を ガスタンクの中にまで伸ばすと、その口は水面から70cmではなく、 10、20、もしくは30cmしか離れていない状態になり、その場合作用は 約10分の1にまで減少する。

用いられている水流の連なっている部分の長さは30〜60cmで、電気の火花 によって点滅する照明のように見える。


<注釈> 5.ハイデルベルクでの実験の同様の結果を参照。 (6)

C. 空気中の埃(水飛沫)の成分は重要ではない

10. ほこりのない空気中での実験(1)

ほとんど全ての固体は水と接触するとマイナス電気を帯びる。このことから、 落ちてくる水によって帯電するのは空気中のほこり(飛沫)なのではないか という可能性は除外できない。アルプスの滝で空気が極めて澄んでいたこと を考えると、もちろんこれはありそうなことではないが。 (注6)

鐘型ガスタンクをほこりのない空気で満たすために、二本の真鍮管を下側 から、遮断水を通して、その中に挿入する。一本目の管の内側の端は水面上 にぴったりとおいてあり、もう一本は鐘の内壁に沿ってその蓋のところまで 上向きについている。短い方の管の外側の端は大きな綿のフィルターで閉め られ、長い方の管には大きな瓶へとつづくホースがついており、その瓶は 空気ポンプとつながっている。すべては空気を通さないように閉められて いるので、ポンプによって吸い出された空気は、まず綿のフィルター、 次に鐘、最後に瓶を通過することになる。12分から14分間吸い出した後 瓶の中では、湿った空気の内容物の圧縮と急速な膨張によって、最早もや のかけらさえ見られなくなる。瓶からほこりがなくなると、鐘からも同様 にほこりがなくなる。

このようにしてきれいにした空気中で水流の作用を、水の上に落ちた場合も、 ブリキ板に落ちた場合も、以前と同じように試してみた。しかし、ほこりの 除去の時間も利用したが、その作用は、例えば普通の部屋の空気を瓶の中に 見られたような濃い霧を生じさせた鐘の下に持っていった時と変わることは なかった。

次の表は、今回は鐘の中に設置されている水平なブリキ板の上に水流が 落ちた場合の3つの観察結果を表したものである。

【表2】

水流の

放出時間

1列目

ほこりのない空気での

空中電位

2列目

実験室の空気での

空中電位

3列目

実験室の空気での

空中電位

検電器の

Scalenth.

ボルト

検電器の

Scalenth.

ボルト

検電器の

Scalenth.

ボルト

10

11

12

13

14

19

24

49

63

0

48

56

64

70

72

72

72

72

72

水流停止

42

30

28

0

102

114

122

130

133

133

133

133

133

水流停止

88

65

61

0

56

66

68

68

70

70

70

72

水流停止

46

32

30

0

114

126

128

128

130

130

130

133

水流停止

98

69

65

0

36

46

52

52

56

56

58

60

水流停止

48

36

30

28

18

58*

10*

29*

0

80

98

109

109

114

114

115

117

水流停止

102

80

65

61

40

23

5

15


*のマークがついたものはHankelの検電器で測定したもの。 他はExnerの検電器による測定。

第一列は、浄化した後、鐘の中に15分間強い蒸気噴射をすることで、 もしかしたら残っているかもしれないほこりの最後の痕跡まで取り除いた 空気である。2列目は1列目で用いた空気をその後直接用いたもので、 その空気は水によって鐘から押しのけられ、その代わりに浄化されていない ものが入っている。この2つの列では、完全と言ってもいいような一致が 見られる。それに対して第3列は、同じ実験の結果の中で最も小さい電位を 示した。その違いについては、水道管の圧力が3.7気圧と2.8気圧の間で 定まらなかったということで十分説明できる。


<注釈> 6.例えばトラフォイでは空気が非常に湿っていて、気温が低かったにも かかわらず、口から吐いた息が見えることすらなかったが、これは明らかに 蓄電の核となるものが不足しているためである。火のついたタバコや、 ほのかに光るマッチ棒の上で息をする、もしくは人が、そこにあるわずかな 煙突のうちの一つから出た煙の動く方向に行くと、濃く息が現れた。 家の中でも同様であった。一杯の温かいミルクを屋外へ持っていくとすぐに 湯気が出なくなった。

11. ほこりのない空気中での実験(2)

従って、空気中のほこりの電気作用への関与の可能性は除外される。 にもかかわらず上記の (8) で述べたマクリーン氏とゴトウ マキタ氏に よる実験では、空気を浄化した後に作用が弱まることが示されている。 わざと汚した空気での実験によって、この明らかな矛盾が解明される。

タバコの煙を鐘の中に吹きこむ、もしくはブンゼン燈の炎をその中で 数秒間燃焼させ、それから水流を使った実験をすると、このような汚染の ないいつもと同じ実験よりも強い作用が起こり、それは3倍にまでなった。 ここでは、煙や炎のガスは電気の発生を助成するなどという仮定は必要と されず、空気電位がより高く上昇したという事の説明としては、空気中の 電気を保存するという汚染の著しい作用ということで十分である。 例えば以下の表の第二、第三行目は、水流を止めた後の空気電気の消失を、 煙がない場合とある場合とに分けて示している。水流はどちらの場合も水の 上に落とした。

【表3】

時間

0m

1m

5m

6m

10m

16m

27m

58m

2h19

通常の空気

6.2

4.8

1.8

0.2

タバコの煙

13.0

9.6

8.6

6.2

4.2

1.0

通常の空気の場合16分で電位は6.2ボルトから0.2に下がっている一方で、 タバコの煙の場合は、同じ6.2ボルトから1.0に下がるのに112分が必要と なる。炎のガスでも全く同じような結果が出た。

この後は、研究室の空気を汚染から防いで、後でほこりのない空気の場合 と比較したが何の違いもなかった。

12. 結果と推測

ほこりのない空気での実験に関して注目すべきことは、水流自体が鐘の 中に持続的にほこりを生じさせたということ、そしてそれが電気量を 20〜40倍まで長持ちさせたということである。

その実験の一つにおいて水流 を7分間ほこりのない鐘(深さ数センチの水の中にある)に流すと、検電器 に34目盛の空気電位が生じた(4.5目盛 = 1ボルト)。水流を止めてから 二分後、もやの内容物を調べるために、その空気のサンプルを鐘からほこり のない瓶へと吸い出した(その一方で新しい空気を綿のフィルターを通して 中に入れた)。そうすると、ゆっくりと床に沈んでいく濃いもやがロウソク の炎の周りにきれいな輪を作って現れた。ガスタンク内の電位の平均値は 7目盛に下がった。

水流停止から13分後、新たな空気サンプルが再びほこり のなくなった瓶へと取り除かれ、もやの生成は以前弱まっておらず、28分と 48分の段階でも同様であった。一方で空気の電位は20分の段階で既に0.5目盛 に下がり、38分の段階では見られなくなってしまった。鐘の中の空気は 1時間13分、そして13時間45分経った時点でも、始めより明らかに弱くなった とはいえ、まだもやを作り出すことができた。

その間中漂っているこのもやが水しぶきである。このことは非常に汚れた ボンの水の場合も容易に示された。遮断された空気を、ほこりの瓶の中では なく、ブンゼン燈の炎に流して実験すると、その空気には水流を停止した後 もしばらくナトリウムが残る。この時、鐘形ガスタンクは桶のなかではなく、 もとは桶の一部であった背の高い容器の中にあり、その結果その中の空気の 内容物は水によって外に押し出され、適切な炎の気流の中で導かれる。 補助のガスタンクは、同じ強さのほこりのない空気の気流との比較をするため に用いられる。どちらの気流も任意に変化しブンゼン燈の空気孔へと流れ、 二つ目の孔をふさぐと、炎は肉眼でも、ポケット分光器でも観察された。 ほこりのない空気を引き込んだ場合炎の周りは純粋な青色で、分光器では 暗い色の底のところできらめいて見え、外気から小さなほこりが進入した 場合はナトリウム線が見えた。それに対して鐘形ガスタンクからの空気の 場合は、深さ数センチの水に水流を落とした先の実験のように、その空気を 通して水流を7分間出しつづけると、炎の周りは最初は黄色く、最終的には 赤みを帯びるほどになり、強いナトリウム線が断続的に出現した。水流を 止めてから3分、14分、18分の段階ではそのままで、27分たってようやくその ほこりのない空気は水流を流す前と同じ状態になった。しかし電気が空気中 に残っていたのは38分に満たなかった。というのは、それは先の実験 (表1、表3の類似した実験を参照。)とまったく同じ状況で生じたから である。

このことから電気と水しぶきは、滝でも見られたように (4) 、お互いに 独立していることが示される。ここで、水しぶきが電荷を運ぶという仮定は 難しくなるため、後の実験に関して、空気自体が落下する水によって帯電 するのではないかという推測を立てた。

D. 水の純粋性は重要である

13. 蒸留水、水道水、食塩水による実験

我々は今度は蒸留水の水流による作用を試してみることにした。 高い圧力をかけた任意の液体を流れさせるために、二つのガラス管 を 図2のように互いに結びつけた。 の下端部につけたゴムの棒がガスタンク につけられた排水管と結びついているとする。 ( 結合図 ) ゴム管挟みQ1は 閉じられており、αマークのところまで液体で 満たされていて、 その液体の水流を調べる。 今度はの下端に水道管からの水を、を通して、 β1からβ2まで流し込む。 そうするとその管の空気の内容物は約3.5気圧 の圧力になるまでにしたがって圧縮される。 実験に関して装置の準備は これで整った。検電器の Q1を突然開放すると水流は鐘の中に流れ、作用が 観察されるようになる。排水管はガスタンクの壁の下部に対して斜めに 立っている (9)


図2

蒸留水と水道水、そしてほぼ飽和状態の食塩水(22.9%)を比較しながら実験 を行う。蒸留水は水道水の40倍のマイナス空中電位を生じ (注7) 、食塩水では弱い プラス電荷が生じた。次の表は検電器に表示された数値の平均値である。

【表4】

空中電気 液体

読みとられた数値

ボルトに換算した数値

蒸留水

8 目盛 Exner

140

水道水

17 Hankel

3.4

食塩水

7.5 Hankel

1.5

ここで注目すべきことは、35秒間液体を流している間の空気電位は、 最初は上昇するが終わりごろには再び減少するということである。 その簡単な説明としては、水流の圧力が次第に減少していくからということ である。その数値は電位の最も高い値を示している。食塩水の場合電荷は 安定せず、排水が終わる頃に何度かわずかにマイナスの値を示した。 通常は、桶のように、水道水の入った水滴機に、同様に食塩水が入っている 時は、特に変化はなかった。


<注釈> 7.ハイデルベルクおよびボンでのシャワーを用いた実験(6)及び(7)を参照。

E. 空気を通って落下する水はプラスの電気を帯びる

14. 実験装置の構成

これまでに我々は、落下する水は空気中にマイナス電気をもたらすと いうことを突き止めたわけだが、そうすると今度は、同じだけの量の プラス電気の所在が問題となってくる。以下ではプラス電気を水の中に 求めていく。


図3

これまで使用してきた水道管と結びついた排水管の先端を、ここでは、 部屋の高さの半分くらいのところで、垂直に下向きに固定する(、図3)。 その下に、蝋で封をした支えで絶縁状態にして、 ブリキのバケツを置き、 そのバケツから一本の導線が検電器もしくは電位計へとつながっている。 水流をバケツに注ぐのだが、それは水が落下する中で保持される電荷を バケツの中に集めるためである。しかしこの簡素な形態でその装置は同時に 水滴コレクターとして作動し、我々は、水流のそれぞれの水滴からその環境 によって誘導された電気を集めることができるのである。こうすることで 我々の求める作用を作り出すことができる。最も高い60cmの水流はその60cm を落ちる間真鍮管に囲まれており、その真鍮管の直径は上から下へ向かって 23mmから45mmへと広くなっている。そのため水流はいたるところで確実に 自由に落下することができる。この管の電位は、ダニエル電池の配線の 分岐によって調節できるので、受け皿となるバケツに、非常に弱く滴る水流 を使って弱いマイナス電荷を生じさせることができる。つまり、水流の水滴 のそれぞれが管からマイナス電気を持って出てくるのである。この調節方法 を選んだのは、バケツにプラス電荷が生じたのは誘導作用が原因だという 可能性を防ぐためである。 (注8) この管は補償管と呼ばれる。

我々はさらに、 ガラス製の排水管を口のところまで地面へと導かれたアルミ箔で 巻き、バケツをボール紙で覆い、その真ん中の穴を水流が自由に 流れ込めるよう にし、これで実験の配置は完全に整った。水流のそばに固定された封蝋を 施された棒が摩擦されても、検電器の動きに重要な影響は与えなかったと いうことが、この装置が外的な妨害に左右されないことを示している。 このようにして我々は一連の実験を行った。


<注釈> 8.この管を単に地面に向けると、バケツの中には常にプラス電気のみが発生した。

15. プラス電荷の確認

まず最初に我々が確認したのは、勢いのある水流はプラス電荷をバケツ の中に集めるということである。それは、詳細な実験に関して、補償管の 口の下約80cmのところにつけられ、我々はまず、とても弱い水流が出る くらいに水道管の栓を開けた。

上記の作業の後、電位計はゆっくりと マイナス側に傾いた。そして我々が水流を段階的に強くしていくと、 マイナスの振れがなくなってプラスになりどんどん急速に強まっていく。 最終的には水流を全開にすると検電器は、どの検電器を代わりに使っても、 短時間のうちに指針がプラス電荷を示すようになる。再び水流を弱めると、 全てが逆の順序で繰りかえされるが、一つだけ変わったことがある。

すなわち、あるかなり弱い水流の場合に、検電器は実験の最初の段階で ほとんど動くことはなかったが、終わり頃にかなり大きな振れが起こったの である。しかし同時にこの特別な水流は断続的に補償管から流れつづけ、 深さ10cmもしくは12cmで初めて滴になるという特徴がある。 すなわちその水流は周囲の電気を示したにちがいなく、その電気はプラスの 振れに応じて、強い水流をより長い間流した後にマイナス電気になる。 少しの間部屋に空気を入れた後ではこの振れは消えてしまい、ここで我々は 先に研究したマイナスの空中電気を再発見した。

当然、強い水流の水はマイナス電荷とともに補償管から流れ出し、 さらに落下する際にはじめてプラス電気となるという結論に対して、 排水管からプラスの電荷の摩擦によって生じるのだ、などという疑問は もはや存在しないだろう。そのような疑問はさらなる実験ですぐに取り 除かれることであろう。

16. バケツの水の水位との関係

これまでは受け皿となるバケツの水位をほぼ一定に平均的にするように 配慮してきた。しかし、このようなことを配慮しなかった時、我々は、 水位が電荷の強さに影響するということに気づいた。

例えば、バケツを 最初空っぽにしておいて全開の水流を注ぎ込む。するとプラスの振れが 急速に生じたが、バケツの底が水で覆われていくにつれて、間もなく 行き詰まってしまう。そこで我々はまず、水流が流れ落ちる水の深さに よる影響を調べることにする。


図4

水位を一定に保って段階的に変更できるよ うに、受け皿に図4が示しているような形を与える。桶WWは封蝋を施した 支えの上に載っており、その真ん中に高さ40センチの筒型の容器が 立っている。その容器の中には幅の狭い短管(同様に亜鉛製)が押し込まれ ている。その短管は3つの鉤で止められ、容器と隙間なく繋がれているわけ ではないので、後者は水面nnを超えて満たされることはなく、余剰となった 水はその縁を超えて桶へと流れ出る。その桶は上の方で飛び散ったりした水 などの大部分も受け止める。の水位は水平な亜鉛板bbで限定され、 その亜鉛板はnnより下の任意の深さに3本の導線で吊るされている。

流出口から水面までの水流の長さがn107cmとなった時、1分以内での 様々な水の深さnb(図4)の場合において検電器には以下のような電位 (平均値)が残った。

【表5】

水位

0

2

4

7

10

15

20

30

40cm

1分間で生じた電気量

99

48

26

14.2

9.9

6.1

5.3

6.4

7.3 Volt/Min.

水が深くなればなるほど、それだけ作用は弱くなっている。 しかし、それは深さ20cmまでのことである。 そこからは再び少し上昇している。これは、水流による空気の吹き込みが 水面下へと送り込まれる、まさにその高さなのである。ここから我々は その結果について次のように言うことができよう。すなわち、 水流が水面下にもちこむ空気が深くなればなるほど、それだけいっそう 得られる電気は少なくなる。ここですぐに想起されるのはハイデルベルク でのシャワーを使った実験 (6) である。

そのシャワーはわずかな空気を ほんの数センチ下に落とすもので、一方その水流は、それが空気を桶の底 まで持ち込んでいる限りにおいては、何の作用も起こさなかった。 この結果については後で改めて取りあげる。

17. 水流の長さとの関係

さらに興味深い一連の実験において、我々はバケツを置く高さ、 すなわち水流の長さをいろいろ変えて実験し、その一方で水流の強さと 水の深さを一定に保つようにした。バケツを置く高さが高くなればなるほど、 その中に集まるプラス電気はいっそう少なくなることに我々は気付いた。 我々は、水流を全開にした場合でさえ、補償管の下にマイナス電荷を保つ ことができ、その間同じ水流は下のほうで受け止められてこれまでに観察 されたようなプラス電気を起こした。

このことは、強い水流の滴もマイナス電荷を伴って補償管から出てくると いうこと、そしてプラス電気はさらに落下することで初めて、補償管から バケツまでの途中のどこかで発生するということのはっきりとした証拠 となる。集まった電荷と水の深さとの依存関係というのもそれを意味して いる。

次の表には、3つの異なる水位で水流の長さをいろいろと変更した場合の 実験を示してある。(第2、3、4欄)

【表6】

水流の長さ

1分間で発生した電気

1分間で発生した電気

1分間で発生した電気

 

水深10cmの場合

水深5cmの場合

水深0cmの場合

cm

Volts/Min.

Volts/Min.

Volts/Min.

100

-44

-36

+28

120

-30.5

-23

+45

140

-12

0

+59

160

+0.2

+16.7

+86

180

+6.7

+29

+87

200

+9.6

+33

+100

220

+21

+32

+114

240

+26

+41

+143

今回は受け皿としてバケツの代わりに、図6の装置で用いている覆いの ない亜鉛容器を使った。表の第2欄目では、その実験の前に既に10cmの 水が容器に入っていた。第3欄目では水平な亜鉛板が、容器の深さ30cm のところに取り付けられており、この上に大きく平らな深さ5cmの深皿が 水を満たされた状態で置いてある。第4欄目では最終的に水流が、常に濡れ た状態にしてある剥き出しの亜鉛板の上に落ちる。後ろの二つのケースでは、 水は容器内のこの亜鉛板の下に集まる。


図6

この表から読み取れることは、第一に、表を概観した場合、容器はいかなる 環境でも短い水流より長い水流の場合の方がよりプラスの電気を帯びると いうことである。第二に、個々の行を見た場合、水流が落ちる水が浅ければ 浅いほどより多くのプラス電気が得られるという先の結論が、どの水流の長さ の場合でも繰り返されていることが分かる。

18. 結論

水のプラス電気の観察 ( 15 16 17 ) と空気のマイナス電気の観察 ( ) を比較すると、起こす電気が強かろうと弱かろうとそれを起こすあらゆる 環境が、他の環境の場合も以下のようなことを生じさせる限りは、完全に 一致しているといえる。すなわち、強い水流のみが空気に強いマイナス電気 を帯びさせ、そのような水流の水だけが強いプラス電気を帯びるということ である。水流が水中に持ち込む空気の深さが少なくなればなるほど、 というよりもむしろ、水流が落ちる水が浅くなればなるほど、そして水流が 長くなればなるほど、空気のマイナス電気、水のプラス電気は強くなる。 このことから、マイナスの空中電気と量的に等しいプラス電気が水の中に 存在するということはもはや疑いえないであろう。

F. 水しぶきと空気は反対の電気を帯びている

19. 実験装置の構成

最後に記述した実験 ( 16 17 18 ) では、受け止め容器から、知覚しうるほどの 気流の他に多かれ少なかれ常に水しぶきが流出した。既に予測したように (12) 、空気がマイナス電気を運び去るとすれば、水しぶきは、その電気の 誘導のもとで剥離するのだから、プラス電気を帯びているはずだ。それゆえ 水しぶきとなって流出することは、蓄電荷の一部が失われることを意味する はずだ。

このことを調べるのに、覆った容器 ( 図3 参照)では覆われていない容器の 場合よりも多くプラス電気が得られるかどうかという実験もよいかもしれ ない。だがこの場合だと、水しぶきとともに空気の流出も妨げられるだろう。 実際、覆うと電荷は減少する。

実験を徹底させるために、空気と水しぶきを、どちらか一方だけを好きな 時にとどめることができるように、別々の方法で受け止め容器から排出させ ることができなくてはいけないだろう。


図5

次のような装置を用いればこのことはある程度まで達成される(図5)。 絶縁された水槽の中に3つの伝導性の支柱を置き、その上に、 高くて幅の 広い、上下が閉じられていない金属製の円柱を立てる。 このの軸内の 任意の高さのところに直径1cmの水平の小さい真鍮盤を3本の導線でつる ことができる。円柱の上には、噴水流が入ることができるように真中を開け てある金属板PPが、3つの支柱によって留められている。 このPPの上方、 高さ107cmのところに排出口があり、その先には補償管が接続されている。 噴水流は、盤にぶつかったあと広がって薄い皿状になり、その端で細かい 水滴となって放射状に散っていく。から水滴となって落ちる水は 非常に 少なく、大部分は水しぶきとなって四方八方に散り、(盤が図の位置に ある場合には)そのほとんどが円柱の壁に受け止められて、その壁をつたって 水槽の中へ流れ落ちる。また一部の水はの下から出て行くことによって装置 から損失される。盤を円柱の中に低く固定したり高く固定したりすることに よってわれわれは、水しぶきが少量だけ排出されたり大量に排出されたり するようにコントロールすることができる。空気は、これとは無関係に、 装置の中で別の通路をとる。強い噴水流は常に、感じうるほどの極めて 強い気流を起こす。 (注1) 気流は、図の矢印が示すように、ここでは噴水流とと もに上部の開き口を通って入り、を越えて下方へと落ちていき、やがて円柱 と水槽の間から外へ吹き出す。空気は板の下からは少しも流出しない。 逆に、そこでは空気は吸い込まれる。気流が装置の外へ連れ去る水しぶきの 量はごくわずかだ。この気流が細かい水滴を含んでいることは、太陽光の中 でのみ認められるが、この水滴の量は、の下から外に出すことのできる量 に比べたらはるかに少ない。気流の強さは、水槽の水位とともに簡単に変化 させることができる。水面が円柱の端まで届くか、またはそれを越えれば、 装置の送風は、上部で取り込まれた空気が再び上部から外へ吹き出さなくて はならないほどに制限される。


<注釈> 1.たとえば、上部の排出口に向かって煙を吹き付けると、噴水流は その煙をすかさず下方へ連れ去るので、まるで噴水流は煙の柱の真中を 流れ落ちているかのように見える。

20. 実験結果

この装置で分かることは、1. 水しぶきになって飛び散っていく量が 増加すると蓄電荷は減少すること、2. 気流が強められると蓄電荷は 増加すること、である。この二点は、マイナス電荷は空気自体に含有 されている、ということと完全に一致する。

次の二つの表は、これらの二つの結果を生じたそれぞれの実験の詳細な データである。

【表7】
霧の排出の変化による実験
と円柱の上端の距離 1分間あたりの蓄電量  
cm


17


11


7


1
ボルト/分


+158


+140


+123


+90



少量の細かい霧雨がPの下から外へ出る


上記の場合よりは多くの細かい霧雨がPの下から外へ
出る(図を参照)

非常に多くの細かい霧がPの下から外へ出る


水の半量が外へ出る


真鍮盤を亜麻布で覆ったり、真鍮盤を大理石の小片や中位の大きさの 亜鉛盤と取り替えたりしても、結果は基本的に同じであった。 板を目の粗い針金格子に替えると、より多くの水が排出され、 電荷はもっと減少した。水槽の中の水位はこれまで常にほとんど一定の高さ、 円柱の下6cmを保っていた。

【表8】
空気の流出の変化による実験

水面と円柱の下端との距離

1分間あたりの蓄電量

 

 

             cm

円柱の端が

 

   水面上    4.3

             2.8

             1.5

             0.5

 

   水面下    1.5

             3.5

 ボルト/分

 

  

    57

    53

    46

    41

    

    34

    34

 

 

 

ü

ý空気が下から吹き出すのが徐々に弱くなる

÷

þ

 

ö空気は上部の開き口の端とPの下の隙間からしか

ø外に出られない。

この実験では、流出する空気をできるだけ水しぶきから自由な状態に保つ ために、噴水流を円柱の上端から57cm下のところに固定された直径6.5cmの 真鍮盤の上に落ちるようにし、さらに板を3つの支持器具を用いずに直接 円柱の上に置いた。しかしながら、これらの変更を加えない場合でも、 この現象の経過は表と同じであった。今、板を取り去ったり、目の粗い針金 格子で置き換えたりすると、盤が極めて低い位置に取り付けられているため に飛び散る水の量はわずかになるが、空気にはもっと広い道が開かれ、 電荷は著しく増加した。このとき、水槽内の水位を変化させても結果は表と 同じだった。

21. 追試と結論

ところで空気のマイナス電気と水しぶきのプラス電気は直接証明すること もできるだろう。いま装置を接地してその近くに水滴コレクターを置くと、 水があまり多く飛び散らない時には、水滴コレクターはマイナス電気を示す。 図5 のhhの高さで円柱の周りに大きな布を張り巡らすと、この覆いよりも 高い位置にある水滴機はマイナスには帯電しない。反対に、上部で大量の 水しぶきが放出されるとすぐに、水滴機は少量のプラス電気を得る。 水滴機を外して、代わりに、水が流れることができるように下部を折り 曲げた 図5 の絶縁金属板β−これは霧の一部を受ける−を取り付けると、 このβはプラスに帯電される。

全ての実験は次の点で一致している、すなわち、滝と噴水流においては、 電気が水と空気の間で分離するという点である。問題は、それがどこで 起こるのかということだ。われわれはこの静電発電機でまださらに摩擦の 起こる場所を探し出さなくてはならない。

G. 絶縁された噴水流、個々の水滴

22. 実験装置の構成

現象を明瞭にするために、これ以降、次のようなきわめて単純な実験原理 が適用された。すなわち、調査対象の噴水流は絶縁された貯水タンクから 流れ出て、同じく絶縁された容器に受け止められ、この容器は貯水タンク と伝導して結合されている、というものである。

図6 はこの原理にしたがって構成された装置の基本的な構成要素を示して いる。噴水流が流れ出すもとである貯水タンク、 受け止め容器、 そして結合導線。ここでは絶縁台のどの部分にも滝のようなものができる。 全ての固体・液体は保たれ、空気だけが自由に増えたり減ったりする。

別の見方をすれば、この装置をトムソン(Thomson)の水滴機として理解する こともできる。トムソンの装置では、水滴となって落ちる誘導電気 (第一の電気)と、蓄電気(第二の電気)は、結合導線を通って繰り返し中性化 される。周知の事実から推測すると、水が流出する際に電気の増加は全く 見られない、と予期されるだろう。あるいは、水が飛び散るのを見たら、 水の摩擦を受けた全ての固体(氷を除く)と同様にこの装置もややマイナス 電気を帯びるとか、しまいには、水が飛び散った結果この装置は周囲と 同じ電気を帯びる、と予期されるだろう。後で説明する実験ではこれらとは まったく反対のことが示された。この装置は電荷されるのである。 それもプラスに帯電されるのであり、そして装置そのものが周囲の空気を 反対の電気で帯電するのである。

この種の一つ目の装置では、貯水タンクとして 図2 のガラス管を 用いたと いう点においてのみ 図6 と異なる。このガラス管はアルミ箔で覆われ、 封蝋接着剤で固定されている。このガラス管の下端には下方へ向けられた ガラスの排出口が取り付けられている。この排出口の約1m下に亜鉛盤のつい た受け止め容器( 図6 )があり、導線がこの受け止め容器を、ガラス管の アルミ箔の覆いとExnerの検電器とに結合した。管には蒸留水 が送り込まれ、空気がその上に圧縮され (13) Q2が閉じられ、 管から取り除かれるとする。

Q1の開き口から噴水流を入れると、検電器にはゆっくりと振れが生じ、 30秒後、約1リットル弱ほどの水が流れ去った後にはこの振れは220ボルト という著しい数値に達した。プラスであった。 (注2)

装置に隣接した水滴コレクターは、実験前にはハンケル(Hankel)の電位計で プラスとマイナスを小さい変化で交互に示していたけれども、実験後は強い マイナス電気を示した。実験の間、噴水流を受ける容器の開き口から水滴機 に向けて空気が吹き付けられると、水滴機のマイナス電気は急速に増加する。 それ自体の気流は電気を帯びていなかった小さい遠心送風機が、ここでは 非常に役に立った。

逆に、そのような送風が噴水流装置のプラス電気を著しく(二倍、400ボルト まで)強めるということがわかる。このことは前の実験 ( (20) 、 表8 ) を思い出 させる。そこでは噴水流の送風作用そのものがそのような強化作用を持って いた。マイナス電荷された空気とプラス電気をもつ水の完全な分離が送風 によって引き起こされることは明らかである。


<注釈> 2.この実験は、ガラス管の代わりに真鍮製の小さなヘロンの球を用いても、 やはりきわめて上首尾な結果を与えてくれた。その際、ヘロンの球の内管は 取り除き、排出口は下へ向けた。普通のアルミニウム検電器は非常に強い 振れを起こすほど電荷された。これらの実験では、容器の中の、金属盤を 取り付ける位置は、高すぎてもいけないし(飛び散りが失われる)、低すぎ てもいけない(空気が逃げるのが妨げられる)。(広さによって異なるが、 10cmから20cmまでの間がよい。)そして金属盤は容器の断面の大きさと ぴったり合っていなくてはならない(空気が下へ漏れたりしないように)。

23. 蒸留水、水道水、食塩水による比較

まず興味深かったのは、前に (13) 空気の電荷を観察し表4の結果を得た あの液体における比較実験である。

(空気の電荷)

    対象

 

      蒸留水

       水道水

      濃縮食塩水

    割合

 

      140

       3.4

        1.5

ガラス管に連続的にこの三種類の液体を送り込み、実験の際には常に、 a)常に軽く湿らせた亜鉛盤の上に噴水流が落ちてあたるようにし、 b) この亜鉛盤の上に、当該の液体を満たした5cmの深さの平らな ガラス皿(17)をおくと、次の数値が電位最終値として生じた(平均値)。

【表9】
(液体の電荷)

対象
蒸留水
水道水
濃縮食塩水
液体層の深さ a) 0cm
             b) 5cm
+223
+55
+35
+9.5
-6 ボルト
-8.5 ボルト

したがって三種類の液体の電荷はすべて、空気の電荷と、電極の点では 対置し、値の点では一致している。表4においてはさらに、液体層の上に 水が落ちてぶつかり空気がその層の中へ押しやられる際の、電荷作用の 減少が認められる。ここでは食塩水は一つの例外であるように思われる。 食塩水は、ガスタンクの実験 (13) の時と全く同様に、きわめて不安定な 数値を示したからである。

24. 噴水流の太さによる比較

今、ガラス製の貯水タンクを 図6 の鉄製の円柱Xと取り替える。 このの大きな利点は、ほぼ均一な強さの持続的な噴水流を作り出すことが できることだった。は絹糸で吊られ、圧力計と 水位管を取り付けてある。 蛇口Q1Q2をもつ結合部は、 図2 の同じ記号の 部分に相当しているので ここでは説明しない。空気の急速な圧縮のためにガラス管の 代わりに第二の鉄円柱が用いられた。

噴水流を流し続ける際にこの装置で集められるプラス電荷は、ミリメートル 単位の長さの火花を作り出すことができるほどに増大した。この装置に蒸留水 を送り込み (注3) 、この蒸留水が3気圧下0.98mm幅のガラス製または真鍮製の 排出口を通って流出すると、電圧は1分間以内で390ボルト上がり、 その際、 受け止め容器の注ぎ口に口で息を吹き付けると600ボルト上がった。 (注4) しかし電圧は4000ボルトを超えることはなかった(正確なアルミニウム 検電器で測定し、上記の火花の長さと一致した状況だった)。この電圧では、 角や縁における漏れや水の飛び散りによる電気の損失のほうがすぐに優勢に なりはじめる、と仮定しなくてはならない。なぜなら、やはり水道水の場合 でも、もっと遅くはあるが、この限界に達するからである。ここでは常に、 噴水流の入り口のある針金格子で受け止め容器を覆うことによって、 飛び散りによる損失を減少した。亜鉛盤は容器の上端から10cm下に位置して いた。

水の消費量が同じでも、排出口を大きくすればするほど、電気の増加は より小さくなった。

【表10】

排出口の大きさ

水道水10リットルを流した後の電圧

mm

0.8

1.7

3.0

ボルト

4000

2500

1800

どの噴水流も、噴水流の長さの上から3分の1のところで既に水滴と なって飛び散った。三本の噴水流が同時に出るように、一重の排出口の 代わりに三重になった排出口を取り付けると、電圧は三倍の速さでこの 同じ値に達した。たくさん穴の開いたシャワーノズルはよい結果をもたらさ なかった。いくつもの噴水流がぶつかり合うと、その結果、飛び散ることに よって大量に電気が損失されるが、これを避け続けるのは困難だからで あった。


<注釈> 3.水が汚れないように、底部を切り取った大きな瓶を円柱の中に置いた。 4.この結果はのちに用いられる(表16)。 図6 の装置の容量は 0.78X10-10ファラッド(精密検査済みの空気畜電器との静電の比較に よって算定)。噴水流の水滴の直径の平均は、火花の明るさで測定すると、 2mm。その1分間には0.95リットルの水が流出した。噴水流の長さは120cm。

25. 水滴での実験(1)

噴水流の代わりにそれの構成要素、つまり個々の水滴を実験したところ、 やはりこの作用が見られた。

下部が管状で、適当な排出管のある絶縁された瓶から、蒸留水の水滴が 定期的に、3m下の 図6 の容器Bの中へ落ちる。瓶の水はここでも、伝導して 容器と結び付けられている

26. 水滴での実験(2)

この個々の水滴は、噴水流とは違って、空気を水面下へ追いやらない。 そこで特に興味深いのは、水滴が水の上と湿った亜鉛板の上に落ちて ぶつかる時の作用の比較である。蒸留水を満たした5cmの深さの大きな ガラス皿を受け止め容器の亜鉛盤の上に置いたり再び取り去ったりし、 毎回15秒間隔で電位計の検針を記録した。作用の相異は確実には突き止め られず、どちらの場合においても0.5ボルト/分前後の揺れを見せた。 つまり水滴は、水の上に落ちようと湿った亜鉛板の上に落ちようと、 同程度の電気を発生させた。

水滴が密な間隔で落ちると、つまり噴水流となると、水に落ちてぶつかる 時の電気ははるかに少ない。しかも、この水滴が空気を下へ行かせるのが 深ければ深いほど、電気はより一層少なくなる。このことの原因は、電気の 増加の減少ではなく、既に増加していた電荷における損失であろう。 この損失は空気のマイナス電気と水のプラス電気が混ざる時に生じる。 実際には、空気が下へ追いやられるその深さが深いほど、また水中にとど まる時間が長いほど、その損失は一層大きいに違いない。 (注5)


<注釈> 5.絶縁された容器の水の中へ絶縁する管を通して空気を送り込み、 空気が泡になって上がってくるようにする実験では、電気作用は全く 生じなかった。表5では、空気が沈み込む最大の深さよりも深いところでは、 噴水流の作用は再びいくらか大きくなったが、この事は次のことによって 説明できる。つまり、そうすると、水の円形的な動きは垂直な軌道になり やすくなり、これによって気泡は迅速に表面へと上がる、ということに よって。

27. 送風効果

噴水流の場合 (22) と同様に水滴においても、受け止め容器の送風が作用を 約二倍にまで高める。1.0ボルト/分。 (注6)

水滴落下(前述の送風は伴わない)を中断すると、マイナス電気を帯びた 空気が受け止め容器とその周辺から次第に流れ去っていく。そのことは、 水滴落下の中断後、電位計はなお約2分間プラス側にとどまっているが、 その強度が徐々に小さくなっていくことからわかる。受け止め容器を他の 装置からはずすと、この余作用はすぐに止んだ。


<注釈> 6.のちに表16で使われる。装置の容量は1.07X10 ファラッド

28. 落下速度(高度)、水滴重量での比較

水滴の落ちる高さが高ければ高いほど、作用は大きくなる。

【表11】

       落下の高さ

     水滴の最大速度(7)

           作用

          

           1

           2

           3

          m/秒

           4.2

           5.8

           6.8

        ボルト/分

           0.23

           0.60

           0.79

水滴の直径は4.4mm、1秒間に常に2滴ずつ落ちた。

水滴の大きさが増すと、同様に作用も増加した。

【表12】

    水滴の重量

    水滴の直径

    落下の高さ

       作用

      

     0,0069

     0,0182

     0,0439

     0,0814

       mm

       2,36

       3,26

       4,40

       5,38

       

       3,0

       2,6

       2,4

       2,3

    ボルト/分

      0,056

      0,30

      0,53

      0,57

落下の高さ(第三の欄)はいい加減に決められたものではなく、どの水滴も 同じ最大速度6.2m/秒で落ちるようにするために選ばれたものである。 落下の高さが同じ場合、予想した通り、水滴が大きくなると作用も一層 大きくなった。


<注釈> 7.空気抵抗を考慮した水滴落下速度の計算については レーナルト、 Wied、Ann、1887年、30のP. 224を参照のこと。

H. 水が落ちてぶつかる時に電気は分離する

29. 水滴による実験

次に、水滴を別の容器(同じく亜鉛板でできている)で受け止めるという 実験が行われた。この容器の上部の口は、水滴がかろうじて通ることの できるほどの幅しかない。この容器では電荷はほとんど得られなかった (0.01ボルト/分 未満)。マイナス電気を帯びた空気がすべて容器の中に とどめられたままになり、水のプラス電気を帳消しにしていたことは明らか である。さて、水滴は落下しながら空気を電荷して容器の中へ取り込んで いったのか、それとも空気は水滴が落ちてぶつかる時にはじめて電荷された のか?送風機による4×4cm2の強力な気流を容器の口の真上で水滴の落下に 横から吹き付けることによって、取り込まれた空気を容器に入る前に水滴 から取り去ってみよう。すると作用はまったく増加しなかった。 したがって空気は、水であれ、湿った亜鉛板であれ、その上に水が落ちて ぶつかる際に電気を帯びるということだ。これは、空中電位は滝のふもと から生じるという考察 (4) と一致している。

30. 強い噴水流での実験

強い噴水流の場合でも、落下する水から空気を吹き去っても作用は 増加しなかった。ここでは送風機は 図6 の装置の受け止め容器に、 気流が入り口の真上で噴水流を横切って吹くように取り付けられている。 容器は一枚の金属板で覆われており、この金属板は真中にある穴から噴水流 を自由に通すが、送風機の気流は中に入らせない。また、この送風機は 噴水流をほとんど曲げない。結果は次の通りであった(水道水の場合)。

【表13】

 

    噴水流が落ちてぶつかる時の電気の増加

 

        亜鉛盤

  25cmの深さの水

 

 

・送風なしの場合

・空気を噴水流から吹き去った場合

      ボルト/分

        77.4

        42.4

     ボルト/分

       26.7

       20.3

この場合では電荷は送風によってむしろ減少されている。 その理由は恐らく、送風によって噴水流からそれ自身の気流が奪われ 脇へ吹き除けられるからである。一方、「送風なしの場合」では噴水流は 気流とともに容器に入り、容器に送風した。

31. 蒸留水、水道水、食塩水での実験

ガラス製の噴水流装置 (22) での実験の際にはこれとは別の妥当な 考察がされた。蒸留水の噴水流は、蒸留水の上に落ちる時と濃縮食塩水の 上に落ちる時とで、大変異なった効果を示した。噴水流と気流は落ちる 時に既に帯電しているのだとしたら、下にある液体の性質が大きな影響 を与えうるのを理解するのは困難だろう。電気増加は次の通りである。

【表14】

1. 蒸留水が蒸留水へ落下する場合

55 ボルト

2. 蒸留水が濃縮食塩水へ落下する場合

9 から 26 ボルト

3. 濃縮食塩水が濃縮食塩水へ落下する場合

8.ボルト

2の場合における作用は1と3の場合のほぼ真中に位置している。 したがって、落下してぶつかる二つの液体の双方は、同じ一つの作用に 同じくらい関与しているのである。 (注8)

水滴が別の液体の上に落ちてぶつかる経過を、水滴が空気と境を接しながら 流れ落ちる限りにおいて考察し、二つの部分に分けよう。 (注9) 第一の部分は水滴が最初に接触してから完全に沈み込むまでであり、 二つの液体の表面に関わる。第二の部分は、水滴を受け止めたた表面の その後の変形を扱い、対象はこの表面だけである。もし電気が第二の部分 で発生するのならば、この発生は、ぶつかる前の液体の性質とは無関係で あり、ぶつかった液体の性質にだけ関係していなくはならないだろう。 これは上述の実験に矛盾する。電気の分離は、少なくとも実質的には、 水滴が液体の上に落ちてぶつかる最初のときに、起こるのである。空気は、 接触しようとする二つの表面の間から押しやられて、一方の電気を連れ去 るが、他方の電気は液体に残ったままである。


<注釈> 8.下にある食塩水は2の場合ではたしかに噴水流によって薄められた。 しかし、のちの実験では、作用は、千倍にまで薄めた食塩水においても 常にマイナスのままであって、濃縮食塩水と水の間には位置しない、 ということが示された(表17)。 9.ヴォルティントン(Worthington)、Proc. Roy. Soc.34. 1882. p.219 以下の優れた模写を参照のこと。これは、落下する水滴が、飛び散ること なく下にもぐることを示している。もぐった水滴は噴水流の場合もはや 表面には戻ってこない。すでにその同じ場所に落ちてきた次の水滴が、 前の水滴が表面に上がるのを妨げるからである。

32. 水と固体での実験

(水道)水が板状のさまざまな固体の上に落ちてぶつかる際の電気の発生 を比較実験した。それらの固体を、 図6 の装置の容器の亜鉛盤の上に順々 に置いた。結果をまとめると次の通りだ。完全に湿らせることのできる物質 はすべて同じ強さの作用を示した。モミ材、オーク材、大理石(滑らかなも のとごつごつしたもの)、にかわ、銅、プラチナ、亜鉛盤。それほどには よく湿らせることのできない物質も同様だった(湿らせることのできる度合 いが強い順に)、生ゴム、ガラス、皮、すず、封蝋、硬質ゴム。全く違った 反応を見せたのは、蝋、パラフィン、シェラックである。これらの物質の 表面は湿らせることができないので、落ちてくる水はすぐに水滴となって 滑り去ってしまう。そのため実験後もそれらは完全に 乾燥したままであった。蝋とパラフィンの場合ではほんのわずかのプラス 電気が得られ、シェラックの場合には極めて大きなマイナス電気が得られた。

水にぬれても表面が変化しないような物体(食塩水もその一つだが)から のみ、それらの物質の影響がわかった。それ以外のものは皆、湿らせた 亜鉛盤と同じ作用をした。もし前述の結果を付け加えるなら (26) 、これらは また、水と同様の作用をしたといってもいい。しかし、これはいささか 当たり前のように思われる。なぜならそれらの物体は常に水の膜に覆われ ているからである。

33. 布、ボール紙での実験

布は、見たところ、よく湿らせることのできる物体の中の特殊な例外で あるように思われる。布を亜鉛盤の上に置くと作用は10から2にまで低下した。

布は空気を通過させる。水を満たしたガラス皿をよく湿らせた一枚の布 で覆い、この上に噴水流を放つと、ガラス皿の水はすぐに大量の細かい 気泡によって白濁する。落下する水滴が空気を布を通して押し出すのである。 ここで電気作用がこれほどにも減少していることは、次のことと完全に 一貫しているように思われる。つまり、水滴が衝突する時に電気作用が 起こるのだから、発生したマイナス電気は全て、押し出され布を通過した 空気の中に含まれている、ということである。もし空気が逃げずに そのままとどめられれば、電気の大部分は再び相殺され、作用は一見少なく なる。同様のことは噴水流が水の上に落ちてぶつかる場合に見られた (26) 。 そこでも、空気は落ちてぶつかった場所から自由に逃げられなかった。 布を木材ににかわで張り付けるのは無意味だった。布は噴水流が落ちて ぶつかると泡だらけになりながらはずれてしまい、作用は大きなものには ならなかった。

ボール紙の場合も同様だった。噴水流はあっという間にボール紙に浸透し、 その下の亜鉛盤にあたり、空気は亜鉛盤とボール紙の間を通って抜け出る ことを余儀なくされた。そのことは空気が湿ったボール紙の端で泡となって 現れていることから分かった。ここでもまた非常に小さな電気の発生しか 見られなかった。

34. 水の摩擦に関する実験

たった今 ( 32 33 ) で 実験した固体の若干のものは水との摩擦によって強く 帯電される。 (注10) 電荷の記号が既に証明しているように、水が撥ねて飛び散る にもかかわらず、それらの摩擦電気はわれわれの観察している作用とは 基本的には無関係である。もしそうでないとすればこの記号は、例えば ガラスの場合と大理石の場合では全く同じであったということだけではなく、 どの場合でもマイナスでなければならなかったはずである(シェラックの 場合に限りマイナス電荷が得られた)。それゆえ摩擦は全く考慮に入れな くともよいだろう。しかしながら、段階的に水しぶきの排出量を増やして いくと、実際にそのような摩擦電気は全電荷の記号がかわるほどにまで 強くなるかどうかを突き止めることは興味深いと思われた。


図7

いま、 図6 の円柱の下に 図7の装置を取り付けた。 基本的な構成要素は 以下の通りである。

1. 亜鉛盤をもつ受け止め容器、このは 台に絶縁 されて置かれ、いつものように導線によって円柱と結合されている。

2. 水槽をもつ金属の被い、これらはこの容器を取り 巻き、水しぶきに なって散っていく水をかなりの割合で受け止める。

3. 水滴コレクター

小さい被いは、飛び散った水からを保護して絶縁する。 さて、それぞれ に絶縁された3つの部分を順番に 一つずつハンケルの電位計に 結合し、残りの2つを接地すると、電気の状態は、受け止められた 水(および噴水流を当てられた物体)、飛び散った水、空気、というように 別々に実験することができる。

まず噴水流(水道水)をただの亜鉛盤の上に落とし、における 亜鉛盤の 固定位置をどんどん高くしていく。するとに向かって飛び散る水も 増えていく。このとき、の通常のプラス電荷は次第に弱くなっていったが、 これは既述の実験の際に予想されたとおりである (20) 。 新たに分かったのは、 亜鉛盤を容器の口の高さに、あるいはそれよりも高い位置に固定したら、 落ちてぶつかる水はほとんど全てへ向かい、のプラス 電荷は最終的に マイナスへと変わった、ということだけである。つまりこの極端な場合には、 亜鉛と水の間で生じる摩擦電気(亜鉛、、−、水、、+) が滝の電気 (水、、+、空気、、−)よりも大きかったのである。常にプラスを 示していた被いは、この極端な場合にはきわめて強い電荷を示した。 これは容器のもつ対極の電気よりも大きかった。したがって、 が一緒 のときには必ず通常のプラス電荷(滝の電気)を見い出しただろうし (注11) 、摩擦電気には全く気づかなかっただろう。水滴機はどんな場合でもマイナス 電気を示した。ここでも特徴的なのは、空気と水しぶきは常に電極的に 対置していたことである。

これらのことはすべて、噴水流を亜鉛盤ではなくその上に置かれた大理石板 の上に落としたときにも、同様であった。それに対して、水の摩擦を受けて プラスになる唯一の既知の物体である氷は、表面が容器の口の高さを越え ると、の中にまでプラス電荷を生じさせた。 このときは同様にプラス、 空気はマイナスだった。私がそもそも実験しようと思っていた蝋と シェラックでは反応は極めて不規則的だった。ひょっとするとその理由は、 それらがしばらくすると程度の揺れを見せながら湿り気を帯びていった からかもしれない。

はいつもプラス電位を生じると上述したが、それについてなお言って おかなくてはならないのは、このプラス電位は噴水流を止めて初めて一定の 大きさに成長し、そうしてはじめて本物の電荷として観察されたということ である。噴水流が流れる限り、むしろマイナスにおける揺れが頻繁に観察 された。しかしこれは噴水流を止めるとすぐに減少してプラスに転じた。 に送風したり口で吹いたりすると、プラスに定着するのが早まった。 Mの中に集まっているマイナス電気を帯びた空気がこの特殊な現象の 原因であることは明らかだ。前に既に、似たような現象について触れた (27)


<注釈> 10.エルスター(Elster)の実験では(Wied. Ann. 6. P. 578. 1879)水の 摩擦による電位差は次の通りだった。

 

  大理石

  生ゴム

  

  ガラス

 シェラック

     電位差

     0 

   47

   67

   70

    102

水は実験対象のどの物体においてもプラス帯電した。 11.Mの容量はGの容量(円柱Xを含む)よりも大きかった。

35. 衝突しない噴水流に於ける電気

噴水流が落ちてぶつかる時にはじめて電気が発達するという結果に一致して、 自由に流れている噴水流において電気を証明しようとする試みはすべて失敗 に終わった。水道管の噴水流を室内を通って窓に向かって水平に飛ばすと、 水滴コレクターによっても、絶縁された金属帯によっても、また、 さまざまな方法で(非常に強くプラス帯電さえして)噴水流 噴水流にあてがった小さい穴のあいた隔壁によっても、マイナスの空中電気 は確実には示されなかった。敏感に反応する四分円電位計まで用いたにも かかわらずである。気流を吹き去ったあとの噴水流に長い金属のトンネルを 通過させ、このトンネルの中では小さなバーナーが電気を奪うはずだったが、 このとき水にプラス電気を見出すこともやはりできなかった。

36. 針金かごでの実験

しかし自由な噴水流に対してその排出口に余り近すぎない程度に任意の 対象を障害として設置すると、たちまちマイナスの空中電気が存在する。

この実験をもっと純粋な形で行うために、接地された立方メートル大の 針金のかごの内部に排出口を取り付けたので、噴水流はかご内を通って 後壁の針金の網目の間をくぐり(そのあとさらに窓を通って)自由に外に出た。 かごのおよそ中央には、噴水流が水滴となって落ちる場所があった。 水滴コレクターは、その排出管はかごの中に通じており、その電位は ハンケルの電位計 (1 目盛り=0.5ボルト)で測定された。

自由な噴水流の場合、電位計には何も明確には示されなかった。しかし、 噴水流がかごの後壁に固定された2cm幅の木板の上に落ちると、次のような 結果が生じた。蛇口を開けた途端、かごの内外の空気に霧が広がり、 電位計はプラスに振れた。この振れは3秒後には+3 目盛りまで伸びたが、 そのあと再びマイナスへと転じ、5秒目には−4 目盛りに達した。いま蛇口 を閉めると、まもなく霧は沈んでいき始め、3秒以内で空気は再び澄んだ。 この3秒の間にマイナスの揺れは−25 目盛りにまで増大し、その後、 ゆっくりと減っていき、完全に消滅した。

電位計のこの動きを説明するにあたってわれわれははじめのプラスの振れの 原因を水しぶきに求めてもよいだろう ( 20 21 34 ) 。 空気の中にある 水しぶきの量は、見れば分かるとおり、きわめてすばやく一定になる (水しぶきは絶え間なく沈んでいく)。それゆえそれ以上プラスには揺れない。 それに対して、空気中のマイナス電気は常に増大する。プラスの揺れは 大きさを増しながらマイナスへと移行する。噴水流をとめると、 水しぶきとともにプラス電気はすばやく空気中から消え去る。 電位計は同じすばやさでマイナス側へと変化し、それから空中電気が次第に 減っていくのにともなってゆっくりとゼロへと戻っていく。

これに一致して、実験中に空気を力強くかごに吹き付けると、マイナスへは 全く振れない。こうするとマイナス電気を持つ空気はかごから追い出され、 水滴機に作用することができない。残っているのは水しぶきとそのプラス電気 への振れだけである。これはいま+10 目盛りまで達し、噴水流が流れている 間はそれを維持しているが、噴水流を止めて3秒後には再び水しぶきと同時 に消滅してしまう。

木板を排出口にもっと近づけると、水滴になって落ちてしまう前に噴水流を 受け止めるが、全てはこれまでと同じである。ただし、マイナスへの振れの 大きさだけは非常に小さくなった。最大で12 目盛りに達するほどで、プラス への最大の振れは4 目盛りだった。このとき水はこれまでと同じくらいの量 で飛び散るが、噴水流が個々の水滴になって落ちてぶつかるのは避けられた。 といってももちろん完全にではない。なぜなら、噴水流が木板の表面で砕け て水滴となったものとこの木板との間ではまだ衝突が起こったからである。 しかし噴水流に鋭いナイフの刃を当てると、噴水流は二つの水の円盤に分か れ、この水の円盤の端では自由に細かい水しぶきとなって散っていき、この 水しぶきはかごに充満した。このとき、噴水流が流れている間も、その後も、 電位計はマイナスへは全く振れなかった。プラス側へ不規則に振れるのが 観察されただけである。これはおそらく水とナイフの刃の間の摩擦電気で あろう。ナイフの刃を排出管からもっと離れたところに固定してもまったく 同じ結果だった。 (注12)

水がただ飛び散るだけならば、噴水流が空中を流れ抜けるのと同様に、 作用力はない。平らな障害物にそれぞれの水滴がぶつかるときにのみ、 常に電気作用が生じる。


<注釈> 12.ハイデルベルク市立公園のネプチューンの噴水で似たような観察が 行われた。この噴水の、上に向けられた噴水流は、木々や立像によって 地電位差から守られながら、自由に飛び散り、何立方メートルもの空気を 細かい水しぶきで充たす。この噴水の近くではバーナーコレクターと Exnerの検電器では電気を測定することはできなかった。一方、 もはやほとんど水しぶきとならないたいていの滝においては、空中電気は 極めて大きかったので、この電気の証明のためにバーナーコレクターは 必要なかった。

37. 噴水流の長さと換気の影響

その場合、依然として不可解なことが起こる。完全に滴になってしまった 噴水流を長くするほど ( (17) 、表6) 、空気抵抗によって速度が遅くなるに もかかわらず、その水の流れはより強く作用するのである。唯一推測できる のは、短いときよりも長い流水のほうが受け止める容器の換気をより多く 行うからではないだろうか。容器から噴きだす空気の気流を手で試してみ れば、それが正しいか確認できる。ろうそくの炎はどこでも流水に向かって 傾いており、流水が長くなるほど、空気を多くひきよせ、はこぶ。それゆえ に、様々な長さの噴射の効果について相互比較できる報告を得るには常に、 それぞれ同じように十分な換気ができるように配慮しておかねばならない。

ここで小さな換気装置を 図6 の装置の容器にすえると、 その強い空気の気流 は斜め下に向かってその装置の中に入り、噴射が亜鉛板に 落ちているところ へと吹いていく。それにくわえて、排出口の先と コックQ1の あいだに2mの、 すず箔でおおわれたゴム製のホースが挿入されている。そのためは、 の上0〜140cmの任意の高さにあるシリンダーからたれ下がって いる鉄の棒 に固定することができた。

様々な長さの(水道水の)噴射の効果は、換気装置がある場合とない場合、 それぞれヘンケル製の電位計を観察すると次のような結果になる。

【表15】

噴射の長さ

1分間に生じた荷電

火花の光が起きる際の観察

換気装置なし

換気装置あり

cm

ボルト/

ボルト/

 

 

 

0.1

1.2

16.0

 

 

 

10

31.2

78.4

流水、より細く絞ることで、より多く飛散。

20

50.0

152.7

40

89.4

206.2

流水、滴に分解。

60

96.5

247.9

80

110.7

273.9

100

133.7

258.6

120

141.4

240.0

140

160.2

226.4

換気装置がない場合、流水の長さが大きくなると作用が常に大きくなる。 これとはまったく別になるのは、人口の換気扇によって保たれている荷電 の場合である。ここでは様々な長さで水を流した効果を忠実に示している。 その場合、まず増加を示し、流れる水が滴になると再度減少していく。 この増加は噴射の飛散が増えるのと並行している。増加する飛散は、 瞬間的な発光の場合(表の最後の欄)と並んで、0.1から30cmの長さの噴射 で度重なる衝突のため、金属板の固有音が徐々に強く聞こえるようになる ところからも認識される。しかし、作用がさらに、完全に分散する 点(30cmの長さの噴射)を超えてもなお増加していることを見誤っては ならない。それはまるで、新しくできた滴の表面が、効果が完全にあらわ れるために時間を必要としているようである。0.1cmの長さで水を流した 場合、金属板の音はまったく聞こえない。水は排水口から完全に金属板 に沿って、入れ物の壁にあたるまでとびだす。そこでおそらく、観察され た小さな効果が生じる。最後に長さをさらに長くした場合、分散した噴射 の効果が再び小さくなることが期待される。というのも、噴水流の速度が おそくなるためである。排水口での速度は、その直径(0.9mm)と、排水する 水の量(毎秒0.9リットル)から計算して、秒速25mであるが、空気を通って 落ちる直径2mmのしずくの終速は、秒速7.3mにしかならない。

38. 水の飛散を抑えた実験

次の試みは、水が水の上に落ちて飛び散るのをできる限り回避した場合、 相応の電気の発生が確認できるかどうかを確認するために考案されている。


図8

図8の、絹糸で、絶縁してつり下げられた貯水槽から、 蒸留水を力 を加えずに噴射し、面積90×90cm2、深さ5cmの大きく、平らなおけに流す。 このおけは封蝋の上で絶縁されており、ふちまで蒸留水で満たされている。 (注1) 貯水槽、排水口の先、おけは完全に金属でできており、それぞれが一緒に、 そして四分儀の電位計と導線によってつなげられている。1m3 大の金網の かごが完全に覆っており、逆を無視すれば、地面に伝導されている。 これで水は水の上にだけ落ちる。噴射は排水口の下、5cmで滴になり、 おそらくいくらかの空気の流れが水の下に追いたてられる。しかしおよそ 1.5cmの深さしかなく、おけの底にまでは届かない。

この装置から、はっきりと判るほど水が失われていくことはない。このこ とを示すために、まず、をメチル・ヴァイオレット溶液で満たし、大きな おけの代わりに、同じ5cmの深さの小さなガラスの皿を下におき、その周り に白い紙をしきつめた。噴射を5分間続けた後、どれだけ遠くまでしぶきが 飛んだか紙の上で確認できる。落下点から15cm離れたところから、 1cm2あたり14のしぶきを、25cmはなれたところから、 1cm2あたり、1.9の しぶきを見つけた。半径35cmより外には、全体で76のしぶきだけがあり、 半径45cmより外には一つもない。その範囲を大きなおけはまだ完全に 覆っている。次にメチル・ヴァイオレットを、飽和した食塩水にかえ、 噴水のまわり全体をブンゼン灯の炎で調べると、前もって行った検査から しぶきが散る範囲にだけナトリウム反応が見られた。

この装置(図8)はきわめて規則正しく機能し、わずかな実験で、激しい噴水 で以前観察した現象のうち最も重要なものを見ることができる。最初の 実験(大きなおけを満たした2時間後)で、毎秒0.333ボルトの電気発生が起こる。 (プラス、いつもと同じ − 四分義電位計81.1の目盛り=1ボルト);厚紙 の助けで、穏やかな空気の気流を外から金網を通して、水の表面へとそよがす と、作用は二倍、毎秒0.602ボルトへと高まる。別の日におけの中の水の 表面はいくらかほこりが浮かんでいるように見え、その効果は毎秒 0.157ボルト(扇ぐことはなしで)に減少していた。

そこで、装置の様々な部分の間の電位差を紹介してみる (それは確かに、素材の違いのためにいつも存在しているものよりも、 はるかに大きな電位差である)。そこで起きる電位差が、電気を発生する のに重要な影響をもっているのかどうか見るためである。絶縁して据えら れた25組の亜鉛−水−銅電池をこの目的のために、まずのあいだ、 それから(今は絶縁されている)金網とこの金網に包まれた装置のあいだ に連結する。これは、どの場合も双方向に機能している。重要な影響が 生じていないことは、次の表が示すとおりである。縦の列それぞれが一つ の実験を示している。

 

電池なし

電池あり

水と貯水槽のあいだ

金網と装置のあいだ

装置のそれぞれの場所の最初の電位差

おけ

0

+

0

0

貯水槽

0

+

0

0

金網

0

0

0

+

発生した荷電

 

0.165

0.136

0.175

0.139

 

ボルト/

 

 

平均値

平均値

0.157

0.151

0.157

小さな、しかしきわめてはっきりとしたバッテリーの影響が示されている のがよくわかる。おけが周りにたいしてマイナスのとき、いずれの場合も いくらか強まっているように思え、おけがプラスの場合、いくらか弱まって いるように思える。双方の間の平均値はバッテリーのない場合と同じで ある。(表の最後の列を参照)。この結果は驚くことではないかもしれない。 なぜなら、マイナス荷電の空気の一部は、おけの大きな表面へと放電をしな ければならない。そして、おけがマイナスになれば、この部分はより小さく なり、おけがプラスになれば、この部分はより大きくなる。 噴射が落ちる状況が変化する場合、次のような作用が生じる。

a)おけの自由な水面の上に落とした場合(前の実験よりも一日後)=毎秒0.151ボルト。
b)水面に設置した亜鉛版のかたまりの上に落とした場合=毎秒0.385ボルト。
c)噴水流が、おけの中に垂直に据えられた、高さ40cm、幅7cmの筒の軸をとおって落ちる場合=毎秒0.059ボルト。
d)噴水流が、ななめに置かれた金属の板のうえをすべり落ちる場合=0ボルト。

つまり空気をとどめていた場合、それまで得ていた帯電が減少していく。 それは小さな気泡ができるため(bと比較した場合のa)か、あるいは その他にまだ、筒をとおした場合(c)であり、衝突が起こらなかった場合 (d)作用はまったく生じない。

装置を、完全に三日間そのままにしておいた後では、作用は (最初0.333)毎秒0.146ボルトに後退していた。そして、あおいで起こし たそよぎさえもほとんど役に立たない。例外は、前もって水を流した場合 の最初の瞬間である(かごの中にたまったマイナス荷電の空気を追いやる 場合)。かつ、注意をひくのは、噴射の周囲でおけの中に現れた気泡が もう、最初のころのようにすばやくはじけることはなく、30かそれ以上、 水面を漂ったままだということである。

そこで、徐々に水が汚れること (注2) が作用の減少の原因だと推測される。そこでまず、おけから送るかわり に、新鮮な蒸留水を貯水槽に満たしてみる。すると、漂っている気泡の 数が減ることはないにしても、作用ははっきりと上昇した。次に、貯水槽 を再びおけの水で満たしてから、おけの真中に、新鮮な蒸留水で満たした、 高さ5cmのガラスの皿を、噴射がその上に落ちるように設置した。作用は またも上昇した。またも、衝突する新しい水と古い水の表面でだけ起こる。 しかし今度はもう、ほとんど気泡は漂っていない。最後に新しい水を貯水槽 から、皿の中の新しい水に落とした場合、作用はさらに増大した。亜鉛板の 上に落とした場合、それ以上の上昇があった。扇ぐことによってさらにその 上昇を後押しすることができる。数値はよりよく比較できるように、並べて 次に示している。

汚れた水を汚れた水に落とす場合;おおくの気泡が浮かんだまま。
毎秒0.146ボルトきれいな水を汚れた水に落とす場合;おおくの気泡が 浮かんだまま。
毎秒0.244ボルト汚れた水をきれいな水に落とす場合;気泡はほとんど 浮かんでいない。毎秒0.333ボルト
きれいな水をきれいに落とす場合;気泡はほとんど浮かんでいない。 毎秒0.654ボルト (注a)
きれいな水をぬれた亜鉛版に落とす場合;扇がずに。毎秒1.472ボルト
きれいな水をぬれた亜鉛版に落とす場合;扇ぐ。毎秒1.875ボルト (注b)

電気的な火花が瞬間的に光る場合、噴射が落ちている水面で、 一定して深さ約7mmのくぼみができる。 その底でしずく−噴射−が消えている。 作用を著しく減少させる気泡は沈みながら、ちょうどくぼみの一番深い ところ、したがって落ちているしずくの下で直接、解けている。


<注釈> 1.水槽は常におけからの水で一杯になっている。 ;おけからは60cm3の水が一分間に流れ落ちる。水の出口の直径は1.05mm である。
2.空気のほこり以外に、確かに亜鉛のおけも水を汚す。 おけは濃いくて白い(酸化の)サビを桶の壁に作る。
a.新鮮な水によって求められる作用はさらに、最初の実験での、 おけを満たした後三時間の作用よりもはるかに大きいことが観測された。
b.表16で利用。装置の容量=2.58×10-10ファラデー。 平均的なしずくの半径=2mm。噴射の長さ=40cm。

39. 1粒のしずくでの換算比較

ちょうど利用したよわい噴射の作用と、最も強い噴射の作用 (24) 、 個々に落ちるしずく (25) を、すべて一粒のしずくに算出して比べて みよう(表16)。そのために、ぬれた金属板に水を落とすことと人工の 換気装置によって、発生した電荷のほぼ完全な分離を もたらす実験 (注c) を選ぶ。観察された電位(2番目の欄)と装置の容量から、 1分間に発生する電気量(3番目の欄)が出てくる。しずくの数−流れ出た 水の量と平均的なしずくの直径から求められる、もしくは直接、 把握する−に比例して、一つのしずくが落ちた時にどれだけの電気量が 発生したか求めることができる。そして5番目の欄に記入された値を 知ることができる。その欄の隣にはさらに、しずくの速さと直径がのせて ある(6、7番目の欄)。

実験

一分間の電位

一分間の電気量

一分間のしずくの数

一滴のしずくによって発生する電気量

しずくの速さ(注d)

しずくの直径

 

ボルト/分

クーロン/分

 

クーロン

m/秒

mm

弱い噴射

1.88

4.9X10-10

14900

0.033X10-12

3

2

一滴ずつのしずく

1.0

1.1X10-10

120

0.89X10-12

6.8

4.4

強い噴射

600

468X10-10

223000

0.206X10-12

18

2

速度が速いほど、直径が大きいほど、落ちていくしずくがよりたくさんの 電気を発生するという以前の結果(表11と12)を考慮すれば、三つの電気量 を互いに比較してみると、この方法を使った時に噴射の作用がいつも個々の しずくから構成されており、あらゆる副次的状況に左右されず、しずくの数、 速さ、大きさに応じているという前提に完全に相応している。


<注釈> c 脚注によって示されている

d 噴射の際に同様の速さを得るのは、2mmのしずくが下のほうに着いた 時である。そしてこれはしずくが上のほうで、水の量と噴射口の幅から 算出された初速で落下を始める場合である。

I. 様々な気体、様々な液体

40. 都市ガスでの実験

様々な液体を流した時に、様々な強さの電気量が発生すると考えられる。 鐘形ガスタンク、 図1 、を都市ガスで満たし、噴射実験をまったく以前と 同じように (10) おこなうと、常に大気のときよりも発生した電位量は 小さかった。この実験の際に、ガスタンクの中に亜鉛版のブリッジを設置し、 噴射(水道水)を10分間その上に落とした。そこで得られた気体の電位の平均 は

都市ガスの場合、105.8ボルト。大気の場合、122.5ボルト。である。

したがって、都市ガスの中で水を落とした時の効果は大気中のときの 86.4パーセントにすぎない。ガスがろ過されているか、あるいは直接ガス管 からとったかどうかに違いはない。

純粋な水素ガス(都市ガスのおよそ50パーセントを占めている)を使って、 サイズを小さく 小さくした以外は 図1 とまったく同じように組み立てたガスタンク装置の なかでおこなった実験(蒸留水の場合)では、大気中の64.6パーセントの 作用を生じた。

41. 様々な液体での実験

最後により多くの液体で実験をおこなった。ここで用いた装置は、 図9に概観を模写しているが、その前の 図8 と本質的に同じである。


図9

液体が流れ出す容器は、底が削り取られた瓶である。その下はガラスの コックがついたコルクでとめてあり、その筒の先で1.12mmの幅になって 流れ出る。絹糸ffで絶縁してつるされている 金属ケースと金網でできた 小さな覆いddはこの貯水槽を取り囲んでいて、 そしてそれぞれ貯水槽と、 上のほうには四分義の電位計が取り付けられた導線によって、下のほう には装置の受け止める部分とつなげられた導線によって結び付けられている。 この受け止める部分は、5cmの深さのガラスの皿である。 それは当該の液体 で満たされており、その中に噴射が落ちる。この皿の下 には、こぼれ出た 液体を受け止めるために、最初は空の、もっと大きな皿がある。 二つの 皿は絶縁された大きな鉄板のおけのなかに置かれている。 そのおけは、 飛び散ったしずくを全て受け止められるように選んである。金網でできた 覆いはガラスの皿と噴射を取り囲んでいる。 完全に絶縁されたXDKという システムはそれゆえ、外に向けて、優れた伝導性の表面をあらわにしている。 けれども気体は自由に通過できる。大きな金網は、外的な妨害を防いでいる。

およそ1リットルの瓶の中身が流れだすあいだ −試みた全ての液体に かんして、ほぼ同じ長さ、約5分間、続いた− 30分、30の電位計で読み取り をおこなった。次の表は得られた荷電(平均値)を示している。1つ目は 1分間に換算して、100分の1ボルトを、2つ目は単位として水を基準に している。

番号

液体

10-2ボルト/

水を規準として

1

蒸留水

 

 

+26.66

+1

 

 

比重

100グラム中の重さ(g

 

 

2

アルコールT

0.821

91

-1.04

-0.039

3

アルコールU

0.819

91

+3.28

+0.123

4

アルコール水溶液(アルコールUを薄めたもの)

0.93

45

+4.88

+0.183

5

0.964

26

+22.26

+0.835

6

エチル・エーテル

+0.20

+0.008

7

二硫化炭素(色なし)

+6.58

+0.247

8

ベンゼン

-0.82

-0.031

9

テレピン油

-52.98

-1.987

10

石油

+1.66

+0.062

11

液体アンモニア(ほぼ濃縮されたもの)

+1.08

+0.041

12

苛性カリ溶液(300g KHO+500g H2O

+1.42

+0.053

13

硫酸(体積1濃硫酸+体積10 H2O

-7.82

-0.294

14

グラウバー塩 4%水溶液

-20.26

-0.760

15

食塩水

0

%(NaCl)

+26.66

+1.000

16

0.005

 

+1.78

+0.067

17

0.025

 

-4.66

-0.174

18

0.05

 

-6.12

-0.229

19

0.5

 

-7.52

-0.282

20

2.5

 

-18.54

-0.695

21

5.0

 

-26.42

-0.991

22

10.0

 

-22.28

-0.835

23

22.9

 

-3.72

-0.140

24

ボンの水道水

 

 

+3.97

+0.149

25

水銀

 

 

+381.2

+14.30

この表のなかでまず、アルコールの非常に小さな作用が目をひく(2番と3番)。 これに関しては二種類(同じ購入源、別々の配達)のものが、逆の符号の荷電 を示している。おそらく、純度がわずかに違う別々の中身のためだろう。 水を含んだもの(4番と5番)は四倍に薄めてようやく水の効果に近づく。 残りの炭素化合物(6番から10番)もわずかな作用しか示していない。 例外はテレピン油である。水よりも強く作用しているが、符合が逆である。 試みられた二つの塩基(11番と12番)は弱いプラスの作用、酸(13番)は マイナスの作用を示している。興味深いのは様々な濃度の食塩水 (15番から23番)の反応である。ここではほんのわずかな量での作用が はっきりと現れている。既に0.005パーセントのNaCl(16番)が水の作用を ほぼ完全に邪魔している。5倍の量でその作用は逆の符合で現れる。 0.011パーセントの溶液は完全に作用しない液体となるかもしれない。 全ての濃度の溶液が電気的にマイナスになり、最も強いのは、グラフによる 補間法によれば、6.5パーセントの濃度の場合である。注目に値するのは 最後の水銀のきわめて強いプラスの帯電である。

42. 降雨と海水の波しぶきについて

滝や、流れる川以外に、まだ二つの自然界の現象が衝突する液体の 電気的作用を起こすと期待される。降雨と海の波しぶきである。

地表に打ち付ける雨のしずくはマイナスの電気を空気にもたらすに ちがいない。今やよく知られた事実になっているが、エルスター氏と ガイテル氏の丁寧な観察によれば、普通の好天では大気はプラスの電気を 帯びており、降雨の際、もしプラス帯電の雨のしずくが降ると、その電位差 は度々マイナスに変わる。 (注3) 降雨はその上、広い範囲に至るまで作用する。 観察地の周囲800km内で雨が降った場合、晴れた天気のときに測ったプラス の電位差がはっきりと下がっているのがわかる。 (注4) 我々の扱っている現象が おそらく、そのような作用をひき起こすことを、次の考察が示している。

一時間に5mmの降水量の長雨が降ったとする。しずくの平均的な直径は2mmで、 我々は1m2の地表上の角柱の空間を計算する。 一時間のあいだに降る雨の量は 100×100×0.5=5000cm3になり、 5000/(4/3(0.1)3π)=1200000のしずくになる。 その終速は秒速7.3mである。 (注5) 表16から、速度と2mmのしずくの 大きさに対して電気発生を補間すると-0.08×10-12クーロン となり、全体で-1.2X106X0.08X10-12=9.6X10-8 クーロン/時である。

同じ作用に関して、我々が考察している角柱の空間の周囲が かかわっており、周囲はその空間を電気的な保護環として包んでいる。 それゆえ、上記の電気量がどれだけの電位差を生じるのかということは、 まずその電気量が失われることなく集められた事を前提にすれば容易に 計算できる。すなわち、空気中の電気の量を地表と結びつける力線は、 保護環の作用のおかげで常に互いに同一方向、すなわち地表に対して垂直 に走っている。それゆえ力線は、いつも電気量が角柱の空間の中に配置 されているように、常に同じ密度でその空間の地表に到達するだろう。 そのため、そこでは配分に左右されない電位差が支配的だろう。 その大きさは、プラスに向いた力線として面積単位にかかわって

-4π×10-1ボルト×9.6×10-8/1002 (電気量単位/cm) = -11000(ボルト/m)になる。

普通に観察された最大の地表の電位差、+828ボルト/m (注6) と比較しても、 一時間のうちに雨によって生じるこの作用は、地表や落ちているしずく への放電、あるいは脇へ広がることによって大きく減少するにもかかわらず、 考察された逆転を生じるためには十分に大きいと思える。しずく同士の衝突 の作用は、この場合に完全に考慮されていなかった。しかし、その衝突はも しかするとさらに、特に大きなしずくの雨の場合、計算されたものを上回って いるかもしれない。

少なからず重要なのは嵐によって励起し、絶え間なく起こる海の波の作用 といってもかまわないかもしれない。その兆候にしたがって普通の電位差と 一致しているなら、波の作用は電位差を強めることが明確になるにちがいない。 私の知っている動く海での空中の電気の唯一の測定は、実際この結果を示し ている。Exnerはセイロンの海岸で、普通の空気の電位が砕け散る海に おいては如実に大きくなって現れることを観察した。 (注7) この電気発生の場所 は地上の3分の2以上である。そのため、普通の大気中の電位がこの場所に よってひき起こされ、維持されているとするのは不可能だとは思えない。 大気中の電気の研究において遠くの嵐を考慮することは、更なる解明に つながるのではないだろうか。


<注釈> 3.エルスター、ガイテル。ウィーン、Ber. 99. 421頁。表2、図6、8、9、10など、1890.
4.エルスター、ガイテル。ウィーン、Ber. 98. 952〜951ページ、1889。
5.同様のものの見積もりに関して、注28ページを参照。
6.エルスターとガイテルによって観察された。 Exner、Exn. Rep. 27. 218ページ、1891参照。
7.Exner、l. c. p. 135.

43. 接触電位と電気二重層

気体と空気の間に接触電気があることを推量した場合、液体の衝突に おける電気の発生とその特質が説明されうる。液体の自由な表面全てが 電気的な二重層となる。例えば 水の場合、その表面の一番外側の層はプラスの電気を、空気と隣接している 層はマイナスの電気を、ある一定の電位差までもっている。

二つの水の塊がぶつかった場合、自由な表面の一部が消え去り、 空気はその隣接関係を失う。この現象が十分な素早さでおこなわれると、 空気の持つ電気の荷電が、水のもつ逆の荷電と完全に 一体化するよりも前に、既に空気は遠くへ流れ去ってしまうかもしれない。 すると電気的な二重層の二つの部分は機械的にお互いから引き離され ている。同じようなことが、摩擦式の静電発電機の中 (注8) や、固体、もしく は固体と液体の境界面の隔壁流 (注9) において起こる。分離がもたらされるの が素早いほど、液体の表面が消えるのが素早いほど、 より多く荷電が分離されるだろう。落ちるしずくのスピードが大きい ほど、しずく自体が大きいほど、電気はより多く獲得される ( 28 37 ) 。

様々な太さの噴射の実験もこの提示と一致している。 その実験において ( (24) 、 表10 ) 同じ水量が、同じ圧力のもとで、すなわち ほとんど同じ速度で流れ出ている。けれども作用は同じではなく、 噴射が細くなるほど、すなわち水の表面が大きくなるほど、作用は 大きくなる。というのもより細い噴射は、より太い噴射よりも小さなしず くに分散するからである。

パッシェンの実験によれば、水銀と電解質との境界面の荷電がいっぱいに 到達するまでに必要な時間は、1000分の一秒単位で数えられる。 (注10) 同じ処理から、境界層から動かされた体積構成要素が、その荷電を失う のに必要な時間も得ることができるだろう。我々の実験において、表面が 効果的に消え去るあいだの時間は、最初の接触から水の上に落ちるしずくが 水に半分潜るまで、したがってしずくがそれ自体の半径を離れるまでの時間 と同じだと計算されるなら、その時間が生じるのは次のようになる (既に表16で、最後とその前の欄にあらわされているデータによると)。

弱い噴射の場合 (38) =0.0003秒
強い噴射の場合 (24) =0.00005秒

したがって、我々の説明と矛盾しない値になる。この時間のあいだに、 しずくの表面の半分が消える。その上に、ぶつかられた水面の部分は、 しずくの半径が2mmの場合、一緒に集められて、水面の最大の範囲、 9.7 mm2が消え去る。その場合、 強い噴射の最大値(表16)において、 0.206×10-12クーロンの電気が解放されるので、 2.1×10-12クーロンが 消えた表面の1cm2上に生じる。この値のもつ二つの逆の 電気量は、二つの コンデンサ板のうえに表面から配置され、100万分の1mmの距離で対置された 場合、2.4×10-6ボルトだけの電位差を生じるだろう。 それゆえすでに、 水と空気の間のひじょうに小さな電位差は、 われわれの扱っている現象を説明するために十分なものとなる。



<注釈> 8.フォン・ヘルムホルツ、Wied. Ann. 7. 337頁、1879。−G. マイヤー、Wied. Ann. 40. 262頁、1890。
9. クヴィンケ、Pogg. Ann. 107. 1頁、1859、−フォン・ヘルムホルツ、 l. e.
10.パッシェン、Wied. Ann. 41. 801頁、1890。

44. ある気体と液体間の接触電位

わたしは、同じように気体と液体の間の接触電気によって説明された現象を、 他にまだ二つ知っている。ここで試みたものと、その二つを比べてみる。

一つ目はクヴィンケによって発見された、気体の中の気泡による電気の運搬 である。 (注11) 強い電気を帯びた場で、気泡を含んでいる水があると、 その気泡はプラスの側に向かって動く。テレピン油の中の気泡はマイナスの ほうに向かう。したがって、まるで次のような電位差が生じているかのよう な結果となる。

空気-|水+
空気+|テレピン油-

同じ意味で完全にこれら液体も、われわれのおこなった噴射の 実験(表17、1番から9番)と同様の状態である。水はプラスの電気、 テレピン油はマイナスの電気を空気に対して帯びている。アルコールの 場合も(2番と3番)、クヴィンケや、この論で記した実験において二つの 異なった対象でまったく逆の反応が考察された限りで、一致を示している。 二硫化炭素の場合(7番)だけ一致しない。しかしもしかすると、アルコール よりもはるかに精化するのが困難な液体の場合、不思議がることではないの かもしれない。アルコールと二硫化炭素はわれわれの実験においてそもそも、 水やテレピン油に比べてほんの小さな作用しか示していない。他の液体の中 の空気の電気運搬は、わたしの知る限り、まだ試みられていない。

二つ目の観察は次のようなものである。ビヒャト氏とブロントロート氏の 観察は、硫酸(体積比1:10)|グラウバー塩溶液(4パーセント)と苛性カリ溶液 (3:5 水との比率)|グラウバー塩水溶液の接触電位差を二つの異なった方法に よって計測している。一つめの方法は真の電位差(表面張力についての ヘルムホルツの法則の助けを借りて)を次のように示している。 (注12)

H2-SO4|Na2+SO4=+0.20ダニエル
Na2-SO4|K+HO=+0.125ダニエル

次の方法は場合によって生じる空気に対する溶解液の接触電位差に左右され、 次のようになる。 (注13)

H2SO4|Na2SO4+Na2SO4|空気+空気|H2SO4=-0.129ダニエル
Na2SO4|KHO+KHO|空気+空気|Na2SO4=-0.136ダニエル

したがって、これらの「見かけ上の」電位差は上に記した真の電位差と決して 記号が一致しない。そこから、第二の方程式の組で現れた、空気に対する 電位の飛躍は0ではないことが示される。この結果に対して引き算によって 次の値が得られる。

Na2SO4|空気+空気|H2SO4=-0.33ダニエル
KHO|空気+空気|Na2SO4=-0.261ダニエル

ちょうど同じ三つの液体が、表17でも試されている(12番、13番、14番)。 この表の数値はもちろん −この現象についてのわれわれの説明を正しいと 仮定すれば− 空気に対する接触電位差のはっきりとしない倍数でしかなく、 同じ倍数について確実に示されるのは記号のみである。表のそれぞれの数値 に対して、次のような方程式が有効である。

空気|液体=n×zダニエル

その場合、nは正の数である。その数字はたぶん液体ごとに変わるだろう。 それゆえこの比較は、後述の状態の場合に、ビヒャトとブロントロートの 最後の方程式の組と一致することが確認できる場合に限らなければならない。 (注14)


場合  KHO,  H2SO4,  Na2SO4

n= 1 1.83 0.274

例えば、硫酸がわれわれの実験においてプラスの電気を帯びれば (マイナスの代わりに)、その一致は決して可能ではなくなっていた。 残念ながら、上記の二つの液体の組だけしか、ビヒャトとブロントロート の二つの方法で用いられていない。


<注釈> 11.クヴィンケ、Pogg. Ann. 113. 572〜574頁、1861。
12.ビヒャト、ブロントロート、Compt. rend. 100. 791頁、1885。 (上記したものの一番最初は、記号が1. c.とは一致していない。 しかしここでは、私が後にブロントロート教授から好意的な手紙で 教えてもらったように、オリジナルの誤植を提示しておく。オリジナルは、 H2SO4とNa2SO4を入れかえるべきである。)
13.ビヒャト、ブロントロート、Journ. d. Phys. (2) 2. 548頁、1883。
14.このnのもつ多くのシステムは、無限に一致する。

J. 結果のまとめ

45. 結果のまとめ

前述してきた実験の主な結果として、ひとつの単純な現象を知ることができた。滝の電気的作用はその知識に帰することができる。

No.1
水の上、もしくは濡れた固体の上に落ちる水のしずくは電気を発生する。

No.2
水はプラスの電気を帯び、空気はマイナスの電気を帯びて水の落ちた場所から移動する。

No.3
しずくになって飛散する噴射は、その現象を強くはっきりさせるのに適当である。水の帯電はここで火花を作るまで上昇する。(24)

No.4
また、ある空間内の空気の電位は数百ボルトになる。(6)

No.5
もっとも特徴的に現れた現象は、(22)で記した絶縁された噴射の実験であり、 もっとも純粋なものは(38)(25)で記された実験である。

No.6
水がほんの少しでも汚れていれば、その作用は著しく弱まる。 (7) (13) (41)

No.7
試されたほかの液体もすべて、様々な度合い、様々な符号ごとに効果があると証明された。
(41)

No.8
液体の性質も同じように、この作用に影響を与えていた。(40)

No.9
この現象の簡単な説明は、接触電気が気体と液体との間にあると推測することで可能となった。(43)

No.10
滝に適用されて、この実験はアルプスでの観察との一致において次のような結果をもたらす。

滝の様々な移動現象において、水の固まり同士、あるいは水と湿った岩石との衝突だけが効果を持っている。 それゆえ、電気発生の主な場所は滝の最下部である。(4)
そこから空気のマイナス電気がまわりへと広がり、水のプラス電気は大地へと流れる。

No.11
起電的に効果がないのは、空気中を水が流れ落ちる場合と、水が単に飛散するだけの場合である。 (35) (36)
水が岩石の表面を摩擦する場合(34)や地表の電位差の影響(3)(5)は副次的なものである。

No.12
空気と水があわ立って混合した場合、空気の電気だけが減少する。(26)

No.13
空気の電気は、水にほこりがある場合にも減少して現れる。そのほこりは、逆の電気を帯びた空気の影響下では切り離される。 (4) (20) (21) (34)

No.14 降雨によってもたらされる普通の地表電位差の減少と転換、波が砕けることで生じる地表電位差の上昇はわれわれの扱った現象によって説明され得る。(42)

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